宝酒造 重点8ブランド注力 「価値創造に集中し育成」

宝酒造は、「タカラ『焼酎ハイボール』」「松竹梅白壁蔵『澪』」「極上〈宝焼酎〉」などを8つの重点ブランドに位置付け、より強いブランドに育成することを目指す。このほど記者会見した村田謙二社長は「コロナ禍の3年間で商品の価値を磨き続けることの重要性を再確認した。価格優位性だけでは生き残れない。今後は当社ならではの価値ある重点ブランドにマーケティングコストを集中投下していく」との考えを示した。

今期スタートさせた「中期経営計画2025」(23~25年度)の最重要テーマとして取り組む。8つの重点ブランドは「タカラ『焼酎ハイボール』」「同『辛口ゼロボール』」「松竹梅白壁蔵『澪』」「松竹梅『昴』」「極上〈宝焼酎〉」「全量芋焼酎『一刻者』」「同『ISAINA』」「タカラ本みりん」。今後3か年で重点ブランドの宣伝など育成費を約4割増やす(25年度/22年度)。おいしさを追求する技術に磨きをかけ、新たな価値を創造する商品開発とブランドの育成を進めることで、宝グループが掲げるビジョン「Smiles in Life ~笑顔は人生の宝~」の実現に貢献したい考えだ。

村田謙二社長(宝酒造) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
村田謙二社長(宝酒造)

「タカラ『焼酎ハイボール』」は、年々販売数量を伸ばし、前年度は1千673万ケースを出荷、辛口市場を牽引している。同社の強みである「焼酎のおいしさ」を最大限に生かした酒質設計で、独自のポジションをより強固にしていく。「同『辛口ゼロボール』」は22年10月に新発売。キレのある辛口のノンアルコールチューハイで、松岡修造さんを起用したプロモーションも活用し市場浸透を図る。

スパークリング日本酒「松竹梅白壁蔵『澪』」は、海外市場の開拓が進みグローバルブランドに育ちつつある。国内外に向け、浅田真央さんが登場するプロモーションを核にSNSや訪日客向けアプリを活用、インバウンド需要の獲得も目指す。「松竹梅『昴』」は香り高いフルーティーな味わいが人気。メーンターゲットは40~50代。新規の300㎖瓶(3月発売)で家飲み・料飲店双方のトライアルを喚起する。

「極上〈宝焼酎〉」は、ワンランク上の甲類焼酎という認知を広げるため、繁盛料飲店からの情報発信に注力。4月に業務用ルート限定で1.8L瓶を投入した。

「宮崎・日向 黒壁蔵」で製造する「全量芋焼酎『一刻者』」は、宮崎県出身の永瀬正敏さんを起用した広告で品質訴求を強化。宮崎発のローカリゼーションを定着させる。「同『ISAINA』」は、飲み方で香りが変わる新感覚の本格焼酎。このほど秋元梢さんをメーンビジュアルに広告を展開した。

「タカラ本みりん」は、コロナ禍の内食化傾向を機に新規ユーザーが定着。利用しやすい500㎖サイズの「らくらく調節ボトル」が好評だ。ギャル曽根さん起用の情報発信も実施。