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食品スーパー 厳しい環境浮き彫りに 買上点数減少とコスト増で

23年2月期の食品スーパー(SM)の業績が出そろい、販売とコストの両面で厳しい状況に置かれていることが浮き彫りになった。販売面では、コロナ禍で高まった巣ごもり需要の反動や物価上昇による節約志向の高まりで買上点数が減少。コスト面では、水道光熱費の高騰や人件費、物流費の上昇が痛手となった。

イオンは営業収益が過去最高を更新して9兆円を突破し、GMS事業は営業利益140億円に黒字転換した一方、SM事業は減益。フジの連結子会社化で60億円の増益効果を生み出したものの、連結子会社のマックスバリュ西日本、マックスバリュ東海、マルエツ、カスミ、ダイエーが軒並み減益となった。

この要因についてイオンの吉田昭夫社長は「客数が伸びず売上が前年実績を下回ったことに加えて、生鮮を中心に仕入れ価格が高騰して粗利率が低下したこと、さらに電気代上昇による販管費が増加したことが各社共通の減益要因」と説明する。

減益要因として固定費が重たくなっている点にも触れ、効率化に向けた設備投資を迅速に行っていくほか、「トップバリュ」の導入を推進していく考えを明らかにする。

「冷蔵ケースやリーチインなど電気を使うウエートが高いビジネスモデルのため、そこが重たくなれば当然厳しくなる。レジなどに人員を要する労働集約型でもあるため、特にレジのセルフ化を今かなり進めている」という。

アークスは前年比1.7%増の5千662億円と過去最高(「収益認識に関する会計基準」の適用後)を更新したものの、電気料金高騰に伴う水道光熱費など販管費の大幅な増加をカバーしきれず減益となった。

そのほか主要SMもコストアップなどで減益となった中、異彩を放つのはヤオコー。魅力ある商品や売場づくりが奏功。これに子会社化したエイヴイののれん償却が終了したことによる約10億円分の増益要因が後押しして34期連続の増収増益を達成した。

経営環境はさらに厳しさを増す見通し。

ヤオコーの川野澄人社長は「コロナ前からコロナ後にかけて約10%既存店売上高の前年比が上がった状況が2年間続いた。どこまで維持できるかが今期のチャレンジ。原材料価格の上昇が続く中、やはりトップライン(売上高)をしっかり上げていくことに注力していく」と気を引き締める。

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