加藤産業の第2四半期業績は営業収益が5・7%増、営業利益が26・4%増の増収増益。営業総利益率が0.2ポイント高まり7.17%となった一方、販管費率は5.54%と0.06ポイント改善。営業利益率は1.63%と、0.27ポイント上昇した。
価格改定にともなう単価アップが売上増に寄与。物量は低下したものの、それが物流費の抑制につながった。常温流通、低温流通、酒類流通、海外事業の全セグメントが増収増益。特に外食需要が回復した酒類、ロックダウンの収まった海外事業が大きく伸びた。
加藤和弥社長は上期の総括と下期の見通しについて次の通り語った。
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われわれにとって大きなウエートを占める加工食品卸売業では、価格改定が五月雨式に続いた。それによって営業総利益がストレートに上がるわけではないが、単価が上がり売上が拡大。一方で物量が落ち、それが物流費の抑制につながり営業総利益はプラスになった。
価格改定により、金額ベースでの生産性は上がっている。AIなどを活用し生産性の向上に努めても、人件費のアップで食いつぶすという状況が続いていたが、それが緩和され数字に表れやすくなった。総じて言えば、いくつかの要因が利益面でプラスとなった。
コロナ禍によって家庭内で食事をするシーンが増えたのは、われわれのビジネスにとってはプラス要因だった。これからは以前と同じように外食するようになり、どちらかと言えばマイナスの変化が出てくると思われる。下期以降は、上期の状況と変わってくるだろう。
この夏ぐらいから消費者の行動パターンが徐々に元に戻り、SMの売上は厳しくなると予想される。コスト面でも2024年問題や最低賃金の引き上げを含め、来期あたりから物流費が目に見えて高騰すると思われる。営業力を強化し、粗利益の確立と物流の生産性向上に努める。