ハナマルキ 注力商品「液体塩こうじ」 海外で約10倍へ成長

ハナマルキの注力商品である、粒を絞った液体タイプの塩こうじ「液体塩こうじ」の海外での売上が増加している。15年に海外向け販売を開始した同商品は、販売開始以降5年間で約10倍に売上を伸ばし、2021年度の売上だけに注目すると前年比130%となっており、右肩上がりに増加している。

13年12月に「和食;日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録されてから、今年で10年を迎える。農水省の「2021年農林水産物・食品の輸出実績(品目別)」によると、調味料の輸出額は20年に505億円だったところ、21年には607億円と前年比120%に増加しており、日本の食品だけでなく、日本の調味料を自国の料理に取り入れるというニーズも高まっていることがうかがえる。

その中で、海外での「液体塩こうじ」の売上は、海外向け販売開始後の16年度から21年度の間で約10倍に伸びている。19年には専用工場としてタイ工場を新設し、20年に海外向け出荷を開始しており、海外市場での販売拡大と売上向上を実現している。

19年に新設したタイ工場 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
19年に新設したタイ工場

現在、海外販売実績国は欧米・アジアなど合計30か国にのぼる。「みそ以上に使いやすい、国を選ばないで使用できる調味料だ」と評判になり、業務用での認知度がより高まっている。主に肉・魚類の加工品や、おにぎり、BBQソース、大豆パテバーガー、キムチなど様々な食品に使用されている。

「塩こうじ」を液体化した「液体塩こうじ」は、こうじの持つ酵素の働きで旨み成分を引き出す力があるなど、日本古来の発酵調味料として海外で大きく広がっていく可能性がある。