マルハニチロはこのほど23年3月期の業績を発表し、売上高が1兆205億円、前年比17.7%増と計画を大幅に上回り、経営統合以来、初めて売上1兆円を突破した。
説明会の席上、廣嶋精一常務執行役員は「事業によって好不調の差はあるが、水産資源セグメントの海外販売が牽引した。特に欧州における需要拡大と子会社増、北米のスケソウダラ増産、タイのペットフード事業が寄与」などと述べた。
国際的な魚類の需要増と価格上昇、国内加工食品の価格改定などが業績を押し上げた。営業利益296億円、24.2%増、経常利益335億円、21.4%増、当期純利益186億円、10.0%増のいずれも最高値を更新している。
水産資源セグメント(売上構成比59%)のうち、海外ユニットが売上高2千305億円、45.0%増、営業利益134億円、44.7%増と伸びが目立った。欧州は水産物需要の高まりに加え、買収などによる子会社の増加も上乗せ。北米は新規獲得したスケソウダラ資源の増産をはじめ、販売価格が上昇した中でも需要は堅調だった。アジアはタイのペットフード事業が北米向けで伸び、ドル高バーツ安もプラス材料。
一方、加工食品セグメントは売上高1千66億円、2.3%増、営業利益31億円、38.5%減。価格改定の効果で増収を確保したが、原材料費やエネルギーコストの上昇などで減益となった。冷凍食品では広島工場焼失による販売機会のロスも含む。食材流通セグメントは売上高2千973億円、13.5%増、営業利益31億円、21.4%減。外食向けが回復し、給食・介護食向けも堅調だったが、諸コストの上昇分を吸収し切れなかった。