未利用資源を有効活用 鳥取県産の海藻「クロメ」商品化

健康酢などを製造販売する宝福一(鳥取県倉吉市)は、鳥取大学、ロート製薬(大阪市)と共同で県産の海藻、クロメを使った惣菜「KING KUROME」を商品化。今月7日から同社のオンラインショップで販売を始めた。

クロメはコンブ科に属し、数年にわたり生育する多年生の海藻。大きいものは1~2mに育つ。ワカメやコンブと同等の食物繊維を含み、ミネラル成分も豊富で“ねばねば”成分を持つため食感も楽しめるという。

日本近海に生育する海藻約2千種類のうち、食品として流通しているのは100種類程度とされる。鳥取大とロート製薬は未利用の資源を活用する観点から、クロメに着目し研究を進めていた。その成果を食品に活用しようとする中で、地元食材の可能性を探っていた宝福一と合意し商品化に至った。

鳥取大・中島廣光学長(前列左から2人目)への報告会。同3人目が宝福一・高野昌康社長 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
鳥取大・中島廣光学長(前列左から2人目)への報告会。同3人目が宝福一・高野昌康社長

新商品の「KING KUROME」について宝福一では「コリコリした食感を残しながら、少し酸味を含んださっぱりした味に仕上げた。ご飯のおともや料理の薬味に使って、クロメの魅力を知ってもらいたい」としている。

オンラインショップのほか、鳥取県内の観光施設などへ向け初年度3千個の販売を予定する。宝福一の高野昌康社長は「鳥取県福部の海女さんがクロメを収穫されている。原料の確保に合わせ、バランスの取れた販売量を目指す。鳥取発の食品として大事に育て、全国に広めていきたい」としている。