国分九州 効率重視による利益追求 地域に根差す展開が強み 総会で今井博臣社長

国分九州は7日、福岡市で2023年度国分九州方針説明会と国分九州会総会を2部制で開催。今井博臣社長執行役員が九州エリアの基本方針について次の通り説明した。

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今年度の基本方針では経常利益7億6千万円を目標予算に設定する。「顧客満足度№1」への挑戦として、お得意先さまから頂戴するCSアンケートに基づき、1位選択率も徐々に向上している。第11次長期経営計画の最終年度2025年の目標達成に向けてさらなる取り組み強化を行う。お客様へのよりきめ細かい対応ができるよう3月に第一支社内に第四支店を新設。常温と低温を融合させて各支店の加工食品や酒類担当と連携することによるシナジー効果を図る。

戦略業態への取り組みとして重点業態へのパワーシフトと体制づくりを継続。物流政策は昨年同様、物流拠点の見直しと同業他社さまとの物流の協業化などを柱に物流コストの削減を推し進める。また、効率の悪いピッキング作業や物流作業による現場サイドでの負担増を軽減すべく、物流業者さまとの取り組みを強化。余剰人員や車両をコト売り事業に有効活用する。

コト売り物流ではメーカーさまの物流委託、幹線物流の活用提案や集荷共配、倉庫保管、流通加工などのサービスに注力。沖縄エリアについてはりゅうせき低温流通で冷凍からチルド商品まで幅広い温度帯に対応できる物流体制を構築。各事業については昨年3月に事業開発部を立ち上げることで各活動を深耕している。

地域密着全国卸としての活動では共創圏パートナーとして九州エリアで14企業との取り組みを進めておりフードサービス、行政、青果、離島、低温・チルド、DX、ヘルスケアなどの戦略領域を中心に、取引件数も着実に増えている。長崎県の対馬や五島などの離島エリアでは人口減少と高齢化に伴う人手不足が深刻化し、どの業態についても既存物流を維持するのが困難になってきている。当社では全国の事例や情報を元に、商流物流を軸とした新たなビジネスの探求に努めている。一次産業をはじめ、地元メーカーさまや行政、一元さまとのつながりを強化し、共創圏の構築を目指す。

SDGsの取り組みの一環として、各エリアの支店でフードバンク団体への食品寄贈を進めている。鹿児島支店では鹿児島障がい者共同受注センターなどで生産されるカップ野菜を販売、規格外野菜を使用した加工品の開発に取り組む。熊本支店では買い物難民対策としての移動販売の支援、物流シェアリングなどを活用した食を中心としたサービスをお届けする仕組みづくりを推し進めていく。