「ミニッツメイド」朝食バイキングで飲むコップ一杯のジュースにも着目した新商品 おいしさ+栄養価値に昨今のトレンド反映

 コカ・コーラシステムは、「ミニッツメイド」ブランドで新シリーズ「ミニッツメイド ぎゅっ!とフルーツ」を立ち上げ、4月3日、同シリーズから「グレープブレンド鉄分」と「ピンクグレープフルーツブレンド食物繊維」を新発売した。

 2品とも機能性と低果汁を組み合わせたもので「ミニッツメイド」で培われている“おいしさ+栄養価値”の要素に加えて昨今の市場トレンドを反映させた。

 市場トレンドについて、3月28日、発表した日本コカ・コーラの松田文陽マーケティング本部ジュースカテゴリーブランドマネージャーは「ジュースカテゴリーで唯一伸長しているのが機能性果汁と呼ばれるサブカテゴリー。栄養素別で機能性果汁をみると、1位・マルチビタミン、2位・鉄分、3位・食物繊維となる」と説明する。

 1位のマルチビタミンに関しては「ミニッツメイド」の果汁100%の既存品「1日分のマルチビタミン」で対応していることから、鉄分と食物繊維を「『ミニッツメイド』のホワイトスペース」と判断した。

日本コカ・コーラの松田文陽マーケティング本部ジュースカテゴリーブランドマネージャー - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
日本コカ・コーラの松田文陽マーケティング本部ジュースカテゴリーブランドマネージャー

 さらに果汁100%と機能性低果汁の飲用シーンの重なりが軽微であることにも着目した。
 果汁100%は家庭内の飲用が約7割であるのに対し、機能性低果汁は家庭外の飲用が約6割を占めるという市場データと定性的なインタビュー調査を踏まえて、家庭外の飲用を獲得すべく2品が開発された。

 メインターゲットは体調管理が気になり始める年代とされる30‐40代男女。果汁のおいしさを楽しみながら、栄養も摂取できる管理栄養士推奨の飲料であることを訴求していく。

 「鉄分」には鉄分を100ml当たり1.5mg、ポリフェノールを100ml当たり30mg含み、「食物繊維」では食物繊維を100ml当たり1.9g摂取することができる。

 「忙しくて本格的な体調ケアがなかなかできていない大人世代が、甘い飲み物を飲んでちょっと元気を出したいと思う瞬間、具体的には朝や午後の休憩時間、残業前といった瞬間を狙っていく」。

 競合商品との差別化ポイントについては「おいしさ」と自信をのぞかせる。その上で、手売りに加えて、コカ・コーラシステムの強みである自販機での販売にも注力していく。

 280mlサイズにも勝算を見込む。
 「280mlサイズは大人世代が少し甘いジュースを飲んで気分転換する際にちょうどいい容量。ホテルの朝食バイキングなどで飲まれるコップ1杯のジュースを考えると、ご納得していただける量だと考えている」と語る。

 「果汁と栄養 ぎゅっ!とおいしく。」をメッセージに多岐にコミュニケーション活動を展開していく。
 5日から9日にかけては、東武池袋南口地下1階(東京都)イベントスペースでエキナカ無料サンプリングを実施。各日約4000本、5日間トータルで約2万本の配布を予定している。

 「ミニッツメイド」は2022年、自販機を中心に展開している「1日分のマルチビタミン」の好調とコンビニやスーパーで販売している「朝バナナ」をはじめとする朝ゼリーシリーズの好調が寄与し「大きく出荷本数を伸ばすことができた」と振り返る。

 今後については「ジュース製品に対する価値がコロナ禍で一番上がったのが“栄養がとれること”というのが、民間調査会社のデータからも確認できた。ジュース製品は果汁率が注目されがちだが、それだけでなく、飲んだあとに得たい気持ちや状態に応えられるような価値を持った商品を取り揃えるブランドへと進化していきたい」と意欲をのぞかせる。