セブン&アイ 首都圏約200店へ生鮮供給 「流山キッチン」本格稼働

 セブン&アイ・ホールディングスは3月28日、千葉県流山市に新たに設置した「Peace Deli 流山キッチン」を本格稼働した。

 セブン&アイ共通の食品製造拠点として、首都圏のイトーヨーカドー・ヨーク約200店舗へ鮮魚・精肉・ミールキットを供給する。

 3月22日に開かれたメディア向け説明会で石橋誠一郎常務取締役は「共通インフラの構築により、店舗の生産性を高めて新商品を投入する。収益を改善し、成長への好循環を作り出す」と述べた。

 セブン&アイは3月9日、コンビニ事業で新コンセプト店舗をテスト開業していくと発表したが、「コンビニ事業の成長にも食分野でのシナジー加速化が貢献する」と意義を強調した。

ミールキット市場のポテンシャルにも着目する。

石橋セブン&アイHD常務 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
石橋セブン&アイHD常務

 同市場について、和瀬田純子Peace Deli社長(兼セブン&アイ執行役員グループ商品戦略本部副本部長)は「2018年から21年で128%に伸長している。24年にはそこから二桁以上の成長が見込まれる」との見方を示す。

 同市場に対し「流山キッチン」では鮮度を強みにしていく。
 「工場内で加工した鮮度の良い鮮魚・精肉を使用したミールキットを製造できる」と胸を張る。

 「流山キッチン」には、食品の保存に適した気体を充填する「ガス置換包装機」や設定した重量で鶏肉・鮭をスライスする「定貫スライサー」、磁力と電磁波で細胞壁を壊さずに食材を急速凍結する「プロトン凍結機」が導入されている。

 これらによって、販売期間の延長、生産性と品位の向上、人件費と食品ロスの削減を実現する。
また、加工した鮮魚・精肉を建物内に隣接する生鮮センターからイトーヨーカドー約40店舗に発送するため、グループ内での配送が一部合理化された。

和瀬田Peace Deli社長 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
和瀬田Peace Deli社長

 流山キッチンでは今後、セブン-イレブン店舗向けや、イトーヨーカドーネットスーパー専用商品の供給も予定している。

 セブン&アイは、夏に横浜でネットスーパーセンターを、24年2月にはセントラルキッチン「千葉キッチン」を稼働させる予定。
 石橋氏は「プロセスセンター、セントラルキッチンは今後も拡大していく」と話した。

Peace Deli 流山キッチン外観 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
Peace Deli 流山キッチン外観