エア・ウォーター(本社・大阪市、豊田喜久夫CEO)はこのほど、ベジテック、デリカフーズホールディングスの2社と協業し、青果物の調達から加工、物流、販売までのバリューチェーンを強化すると発表した。
ベジテックとは新たに業務提携を締結し、5%出資。2019年5月から業務提携しているデリカフーズHDに対しては、3月中に実施される第三者割当増資の引き受けにより、1.49%から10.57%まで出資比率を高める。
ベジテック(本社・神奈川県川崎市、遠矢康太郎社長)は、青果仲卸に加え、カットサラダなどの加工製造事業やプロセスセンター事業も手掛ける。小売・中食販路に強い。
デリカフーズHD(本社・東京都足立区、大﨑善保社長)は、業務用青果物の仕入販売やチルドのカット野菜の製造販売などを手掛け、全国3万店へのチルド配送網を確立しており、外食販路に強い。
3社合計の拠点数は加工44拠点、物流120拠点、営業40拠点となる。それらを共同活用し、新設も進める。
また、売上合計(約2千400億円)は青果卸市場の約8%に相当しており、業界最大規模のアグリ連合体として、スケールメリットを享受する。
さらに、食料自給率の向上や地域農業の振興、青果物の廃棄ロス削減といった社会課題の解決も同時に目指す。2月に開いた3社合同会見で、豊田エア・ウォーターCEOは「日本の農業をもっとしっかり支えたい」と話した。