エナジードリンク代替で飲まれる缶コーヒーに商機 コーヒー豆由来カフェイン倍増の「BOSS」新商品

 サントリー食品インターナショナルは、10代・20代の若年層の間でエナジードリンクに替わるカフェインの摂取源として缶コーヒーが飲まれる動きに商機を見出す。

 「BOSS」ブランドから、コーヒー豆由来カフェイン200mg含有の「ボス カフェイン」を3月28日に新発売する。カフェイン200mgは一般的な缶コーヒーに含まれるカフェイン量のほぼ倍増となる。

 同商品をエナジードリンクの新たな選択肢として提案していく。

 具体的には、勉強や仕事に集中するためカフェインを必要とする一方でエナジードリンクに含まれる人工的な素材を摂りこむことに心理的負担を感じる層に向けてアピールする。

サントリー食品インターナショナルの大塚匠SBFジャパンブランド開発事業部課長 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
サントリー食品インターナショナルの大塚匠SBFジャパンブランド開発事業部課長

 2日発表した大塚匠SBFジャパンブランド開発事業部課長は「缶コーヒーは“ホッと一服”といった情緒価値でファンを拡大してきたが、これが思い込みでもあって、カフェイン摂取源として缶コーヒーを機能的に“使う”若者が意外と多いことがみえてきた」と語る。

 この気づきから、缶コーヒーを“コーヒー由来の使えるカフェイン飲料”と再定義する。

 「缶コーヒーでカフェインを摂りたい層は、エナジードリンクユーザーの中に一定数いる。缶コーヒーユーザーは40・50代がメインだが、調べると若年層にも結構使われており、エナジードリンクとあまり購入者層が変わらないというのが今回の発見だった。若年層に向けて価値転換すれば缶コーヒーもまだまだ可能性はある」との見方を示す。

 「ボス カフェイン」の開発にあたっては、カフェインがコーヒー豆由来であることから苦味を抑えることに腐心。コーヒーの量を増やせばカフェイン量が多くなる一方、苦味も強くなるという課題があり、その課題を解決すべく試作を繰り返しカフェイン200mgでも飲みやすい味わいに仕立てた。

 「浅煎りのコーヒー豆を使用して苦味や渋味を低減することに加えて、独自技術でべたつきや後残りがない乳を配合し、糖もパラチノースという後切れのいい糖を使って、さらっと甘さが感じられるようにした」と説明する。

 おいしく飲めるようにフレーバーも工夫し「ホワイトカフェ」と「キャラメルカフェ」の2品をラインアップする。

 発売に先立ち2日からTwitterで事前体験キャンペーンを実施し、発売時には「ボス カフェイン」専用CMを放映するなどして「缶の新たな未来を切り拓いていきたい」と意欲をのぞかせる。

 海外トレンドからも缶コーヒーの開拓余地を見込む。
 同社は2019年から「BOSS」の海外販売を開始し、エナジードリンクのニーズを取り込み拡大傾向にあるという。

 「オーストラリアではエナジードリンクのお客様が『BOSS』を飲んでいる。アメリカも一時期エナジードリンクがブームになったが、現在はダウントレンドにありRTDのコーヒーが伸びている。缶コーヒーの機能的価値という可能性は、海外を少し展開して見えてきた兆しでもある」と述べる。