味の素AGFは、インスタントコーヒーやレギュラーコーヒーのドライコーヒーでアイス飲用が伸長していることに商機を見出し、ドライコーヒーを中心にアイス飲用の需要創造に挑む。
2月1日、発表会に臨んだ武岡正樹常務執行役員は外部の調査データを引き「ドライコーヒーの飲み方別では、アイス飲用が大幅に上昇している。今後も気温が上昇していくことが予見され、ドライコーヒーのアイス飲用はさらに拡大していく」との見方を示す。
ドライコーヒーのアイス飲用を後押しするものとしてマイボトルの使用状況にも着目する。
AGF調べによると、水筒やタンブラーのマイボトルでのコーヒー飲用は増加傾向にある。
2019年比の杯数ベースで家庭内のマイボトル市場は1.5倍に拡大。オフィスなどの家庭外市場は4%増となった。
この要因については「繰り返し使えるエコスタイルで持ち運びに便利で、保冷性と保温性があり、そして香りが逃げず、おいしさが長持ちするといった点でお客様に支持されている」とみている。
中でも家庭内でマイボトルでの飲用が大きな伸びをみせている点について、江村治彦コンシューマービジネス部部長はコロナ禍で変化した働き方や家庭での過ごし方が大きく影響していると指摘する。
「仕事をしながら飲料を飲むという“ながら飲み”が若年層を中心にかなり家庭内に浸透し、常に一定の量があって、冷たさや温かさが維持できるといった点が支持され、家庭内のマイボトル需要は大きく伸びている」と続ける。
高まるマイボトル需要を取り込むべく、AGFは既にインスタントコーヒーやレギュラーコーヒーで提案。今後はコミュニケーションを強化していく。
武岡常務は「既にインスタンコーヒー袋商品やレギュラーコーヒーのドライコーヒー全般でマイボトルユースを提案しているが、今後はマイボトル需要をより取り込めるような製品フォーメーションや戦略を構築して進めていきたい」と意欲をのぞかせる。
ECではマイボトル用スティック「ブレンディ」マイボトルスティックワンを展開し、小売商品では1ℓ用のスティック入りパウダー飲料「ブレンディ」ザリットルでもマイボトル需要の獲得を見込む。
「ブレンディ」ザリットルについては「ピッチャーでつくって冷蔵庫で冷やし、朝、マイボトルに入れて学校や会社に持っていく動きがみられる」という。
「ブレンディ」ザリットルは今年、水溶性と味わいが伝わるパッケージに刷新し、新アイテムとして、やわらかな甘みと豊かな香りが特長の「ピーチティー」を3月1日に発売する。
業務用でもマイボトルを推進していく。
同社は昨年、オフィスなどでコーヒーマシン・マイボトル・自動洗浄機を組み合わせた共同実証実験に参画。
竹内秀樹社長は「家庭用のみならず、業務用も含めてですねマイボトル化を推進していきたい」との考えを明らかにする。