加藤産業は3月1日、オリジナル商品の主力ブランド『Kanpy(カンピー)』に最上級ブランド「Kanpy THE PREMIUM」を新たに投入する。「節約志向の一方で、気に入ったものや自分が価値を感じるものにはお金を払うニーズが強まっている」(山下章ブランド事業部長)。こうした要望に応える狙いだ。
今回発売するのは、同社オリジナル商品の柱であるジャムのカテゴリー。「果実の贅沢 3種のいちごジャム」「同3種のマーマレード」、さらにスプレッドの「とろける贅沢 宇治抹茶クリーム」「同 濃厚バニラクリーム」の計4品。ジャムは185g、スプレッドは150gで希望小売価格は各630円(税抜)。
ジャム2品は商品名の通り、3種類の果実を“黄金比”でブレンドした(いちごはスカイベリー、とちおとめ、あまおう)。開発者は「1種だけでは出せない味や香りがバランスよく出せた」と自信をのぞかせる。スプレッドの「バニラクリーム」はプレミアムアイスをイメージしており、特殊な機械を使ってなめらかな食感を実現したという。
1月に神戸市で開催した新製品発表会では、会場入口に新ブランドの大きなパネルを展示し意気込みを示した。
旭食品グループの旭フレッシュは4月3日に、ジャムの新製品「とろ~り手造り感のクラフトジャム」2品(ストロベリー、ブルーベリー)を発売する。“家庭で造るジャム”を目指し、丁寧に煮詰めることで商品名の通り“とろ~り”とした食感に仕上げた。
「パンに塗る時には広がりやすく、ヨーグルトには混ざりやすい。タルトなどの調理にも便利で、ジャムの用途を広げていきたい」(営業開発部・林和宏部長)。ストロベリーはペクチン(凝固剤)を使わず、ブルーベリーも極少量に抑えている。ペクチン不使用の商品を求める小売業からの引き合いもあるという。200gで参考売価は450円(税抜)。
林部長は「ジャムは高付加価値商材を売り込むチャンスだ」と強調する。背景にはジャム市場の動向がある。このところ生産量は横ばいが続き販売数量は減少しているが、市場規模は拡大。つまり、平均売価が上昇していることを示す。昨年来の価格改定も影響しているが、高単価商品の需要増も寄与していると考えられる。
ジャムに限らず、卸がオリジナル商品において、付加価値品の強化を図る動きは強まっている。旭フレッシュはこのほか、乾物の『にっぽん問屋』シリーズに国産原料を使った干しえび2品とかつお粉を発売する。「100均商材とは一線を画し、国産を求める層に向け訴求する」方針。
また、加藤産業は米粉の「パンケーキミックス」「から揚げ粉」、有明産を使った「焼きバラのり」を投入。乾物部の樫法宏部長は「注目度の高い米粉を原料にしたり、バラ海苔で新しい食べ方を提案したりすることで差別化の図られる商品を増やしたい」としている。