水道水を一瞬でミネラルウォーターのようなおいしい水にするキャップ サントリーが水の新たな選択肢として発明

 専用ボトルに水道水などの家庭の水を約1.5L入れて専用キャップを装着してひねると、その水が一瞬でまろやかな味わいの新たなおいしさの水に変わる――。
 これを実現した商品「minel(ミネル)」が、このほどサントリー食品インターナショナルから編み出された。

 水の消費量拡大を受けた動きで、ペットボトル(PET)以外の水の新たな選択肢として提案していく。

 同社の「サントリー天然水」ブランドのナチュラルミネラルウォーター(天然水)は22年、前年比1割増の販売数量を記録し国内飲料商品単体で初めて1億ケースを突破した。

 その主要容器であるPETは、環境に配慮され100%水平リサイクルに向けて取り組まれているが、同社は未来への種まきとして、空容器の保管場所をとるなどの理由でPETを敬遠する層に向けて提案していく。

 生活者の声を反映させながらブラッシュアップしていく考えで、当面は5000人を対象に「ミネル」専用ECサイトで抽選販売していく。9日、抽選販売の受付を開始した。

 この日、発表した齋藤和弘社長は「いろいろな可能性を追求していく、その大きな第一歩が今回。お客様からのフィードバッグをいただきながら利便性などを考えて大きな市場にしていきたい。サントリーの小さな新発明だが、大きな一歩だと確信している」と語る。

専用キャップを説明するサントリー食品インターナショナルの齋藤和弘社長 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
専用キャップを説明するサントリー食品インターナショナルの齋藤和弘社長

 その“小さな新発明”の核心は、キャップに入った2mlの植物ミネラルエキスにある。キャップをひねると気泡が噴射され植物ミネラルエキスが水全体に広がるようになっている。

 植物ミネラルエキスは、カリウムを主としたミネラルを豊富に含有するココヤシのヤシ殻活性炭から抽出したもので、塩素臭の低減を目的に微粉砕竹炭なども配合している。

 「ミネル」でつくる水のカリウムは専用ボトル1本分(約1.5L)あたり約140mgで、ナトリウム・マグネシウム・カリウムの適度なバランスにより飲用水を弱アルカリ性ならではのまろやかな口あたりと味わいに変えていく。

 専用ボトル(税込300円)は、洗って繰り返し使え、3ヵ月程度衛生的に使用できる。
 専用キャップ(6個セット税込1080円)は、使いきりとなっている。