天かす、海外向け拡大 お多福グループのナカガワが工場を移転新築

お多福グループの天かす製造、ナカガワ(本社・大阪市)は25年、長崎県大村市にある工場を移転新築する。グループの佐々木商店が市内の第2大村ハイテクパークの土地、4万1千839㎡を取得。25年3月に工場が完成し、10月から事業を開始する予定。

3日には長崎県庁で立地協定調印式が開かれ、オタフクホールディングスの佐々木茂喜社長、長崎県の大石賢吾知事らが出席した。

天かすはグループの中でも売れ筋商品で、「天かす天華」は売上第3位、「天華」をセットに組み入れた「お好み焼こだわりセット」は第2位となっている。また、市場においても「天華」は天かすカテゴリーの31・6%(2020年)を占める圧倒的なトップ商品で、メーカー別でもオタフクグループは34%のシェアを持つ。

ナカガワの中川有二社長は「粉もの以外に使われる例も増え、大きく伸長している。海外でも寿司の上にかけられるなど、日本とは違う使われ方をしており、現地の食市場に入っていけると確信している」と強調。海外の売上構成比を現在の5%から20%に高める考えを示した。大村市の園田裕史市長は「この大村から世界へ広がっていくのをしっかりサポートしたい」と述べた。

なお、投資額は約25億円の見込みで、生産力は1.5倍に高まる。