物価上昇と賃上げ

コロナ第8波の懸念はあるものの、外食業界は全国旅行支援や海外からの観光客受け入れ再開で明るい兆しが見えつつある。一方、生活様式の変化もあり、二次会需要が戻らず、飲酒業態は厳しい状況が続いている。

▼今年こそは外食の本格回復に期待がかかるが、ある業務用卸のトップは「売上は戻ってきたが、決して楽観できる状況ではない。飲食店は売上、利益の確保に苦労されており、今年からは無利子のコロナ融資の返済も始まる。昨年は値上げしたが、客離れを警戒して2度目・3度目は難しいという店も多い」と顔をしかめる。

▼昨年来、あらゆる食材が値上がりし、水道・光熱費の高騰に加え、外食業界では人手不足が深刻化している。客足が戻ってきても、スタッフが足りず、時間短縮やフルキャパの7~8割程度で営業せざるを得ないケースもあるという。

▼コロナ禍の3年間で、外食業界を取り巻く環境は大きく変化した。先述した卸のトップは「中小企業も賃上げしていかないと人手が集まらない。そのためには適正利益を確保し、業界のステータスを高めていく必要がある」と強調する。

EU農産品  - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)