地域グルメ、産地訴求に力 尾家産業 全国10か所で春季提案会

尾家産業は17日、大阪国際会議場(大阪市北区)で春季提案会を開催した。今回のテーマは「食ラボ」。「どんな状況でも食の楽しみを研究し続けるメーカーと当社が一丸となり、お客様の課題解決につながる提案を行う」(マーケティング部)と狙いを示す。

大阪を皮切りに3月14日の沖縄まで、全国10会場で実施。大阪会場には174社が出展、新商品335品を含む3千741品を揃えた。

コロナ収束後に訪れたい国の1位が日本というアンケート結果を踏まえ、全国各地のグルメを紹介した「推しコレ!日本全国グルメツアー」を特別企画として展開。提案会を開く10か所にちなんだメニューを用意した。大阪会場で人気だったのが、京漬物・しば漬けのノンオイルドレッシングをかけた大豆ミートのベジ餃子。「病院や施設だけでなく、外国人が戻りつつある外食店からの引き合いも強まっている」と担当者。にんにくを使っていないことや、焼き・蒸し・揚げにも使いやすい点が支持されているという。

「こだわり商品大集合」のコーナーでは、産地訴求できる商品を紹介。土佐産ゆず、聖護院かぶらを使ったドレッシング、淡路島玉ねぎのコロッケや気仙沼産カツオのカツなどを並べた。「ホテルのビュッフェが戻ってきて、揚げ物の需要が増えている」という。

注目を集めたのが、野菜物流の「やさいバス」と尾家産業の協業による新サービス。やさいバスが農家から集荷した野菜を尾家産業がユーザーに配送するもので、付加価値の高い地産野菜を短いリードタイムで届けることができる。同社が注力するMVF(ミート、ベジタブル、フィッシュ)の一環でもある。

  ◇  ◇

小林治仁統括㊧と尾家啓二社長(尾家産業) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
小林治仁統括㊧と尾家啓二社長(尾家産業)

尾家啓二社長と小林治仁中日本西部統括は会見で次の通り述べた。

リアルの提案会ができて本当にうれしい。昨年は大阪だけリアルで、その次からは感染の拡大で延期や中止となった。今年は最後まで予定通り開催できると思われるが、お客様が予定通り来られるかは分からない。

第2四半期まで好調で、2期連続赤字から脱却し増収増益となった。今期の初めに賃上げを行い、夏と冬の賞与も多めに支給した。株主の長期保有優待も復活し、ほっとしている。コロナ禍や値上げラッシュ、人手不足とマイナス要因は多いが社員の頑張りが業績に表れた。最終四半期はこの提案会の成功にかかっている。また、その後のフォローもしっかりとする。

お客様が値上げの状況を分かってくれているが、まだまだ続きそうなので油断はできない。有効なPBを作り、廉価でお届けできれば良い。

 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)