明星食品 春夏戦略 “全麺改良”で進化図る 新カテゴリー創造も挑戦

明星食品は、2023年春夏に向け、昨秋からキーワードに掲げる“全麺改良”を推進するとともに、環境の変化にあわせた独自色ある商品ラインアップも強化、新ブランド「ロカボNOODLESおいしさプラス」などを投入し、好調な販売ペースをさらに加速させたい方針だ。このほど本社で春夏商品発表会を開き、豊留昭浩社長は「市場では様々な形で消費の二極化が進んでいるが、明星らしさや強みを生かし、定番品・プレミアム品・バリュー品の全方位でラインアップを進化させていく」などと語った。

冒頭、豊留社長は今期の業績について「22年6月に価格改定を実施した直後は前年割れとなったが、新価格が浸透した8~12月は二ケタ増と好調だ。(自身で命名した)“全麺改良”をテーマに価格アップに見合った商品価値アップを推進した効果を感じている。昨年夏から秋に放映したテレビCMがいずれも好評で商品特長が伝わった手応えも大きい」。なかでも麺にねり込むソースを増量した「一平ちゃん夜店の焼そば」、ホッとする味わいを訴求した「チャルメラ」、バリュー商品として成長著しい「至極の一杯」の売れ行きが良かった。

「ロカボNOODLESおいしさプラス こってり醤油」(明星食品) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「ロカボNOODLESおいしさプラス こってり醤油」(明星食品)

また、CSV経営のさらなる推進についてもコメント。「当社がおいしさにこだわるのは当然のこととして、これからは健康や環境に配慮した商品であることも不可欠だ。現行のコーポレートスローガン『おいしさ、キラリ☆』に、『からだ、キラリ☆』『地球、キラリ☆』を加えて取り組みを強化する」(豊留社長)。

春夏商品のマーケティング方針は中村洋一執行役員マーケティング本部長が説明。食品の相次ぐ値上げで節約志向が強まる一方、高付加価値やSDGsなどを意識した消費行動が活発になっているとの見方を示し、「『全麺改良season2』で引き続き既存品の付加価値を上げる。また社会的課題を解決する一環で健康志向に応える新カテゴリーの創造も目指す」。

新ブランド「ロカボNOODLESおいしさプラス」(3月27日発売)は、同社が得意とするノンフライ麺技術とねり込み麺技術を生かし、スープのおいしさにもこだわりながら、三大栄養素の理想的なPFCバランスを実現したことがポイントだ。「こってり醤油」で見ると、高たんぱく12.2g、カロリー200kcal以下、糖質18.4g、食物繊維13.8gを兼ね備えている。スープにコラーゲンペプチド、具材に新開発のプロテインキューブ(=プラントベースミート)などを採用した。アイテムは「濃厚鶏白湯」「ピリ辛酸辣湯」との3品。小売価格はレギュラー品と同等の214円(税別)に設定。新発売にあわせテレビCMも放映する。

「一平ちゃん夜店の焼そば やみつき塩だれ味」(明星食品) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「一平ちゃん夜店の焼そば やみつき塩だれ味」(明星食品)

「一平ちゃん夜店の焼そば」シリーズは、「やみつき塩だれ味」と「醤油バター明太子味」を2月6日からリニューアル発売。メーンフレーバーのソースねり込み麺に続き、今回の2品は「オニオンねり込み麺」にブラッシュアップ。コクのある旨みの麺に進化し、全体のおいしさがアップした。

「チャルメラ」は、昨年秋から本田翼さんと「ちいかわ」が共演するテレビCMが好評で、特に直近は「しょうゆラーメン」が二ケタ伸長している。23年1月下旬から、パッケージに「ちいかわ」のキャラクターを使った「チャリメラ」デザインを展開。30~40代など新規ユーザーの取り込みが期待される。

北大西洋の豊かな海が育むアイリッシュシーフード