「コーヒー文化の質を高める」 レギュラーコーヒーの焙煎加工・販売業の団体である全日本コーヒー商工組合連合会が方針

 レギュラーコーヒーの焙煎加工・販売業の団体である全日本コーヒー商工組合連合会(連合会)は11月17日開催された通常総会で、日本でのコーヒー文化の質を高めるための活動に磨きをかけ新規組合員の獲得に注力していく方針を明らかにした。

 この日、新・代表理事会長に選任された鈴木修平氏は「組合員になりやすい仕組みをもう一度考えて任期中に組合員を増やしていく。そのためにはコーヒーの知識や表示、接客サービスを含めた幅広い意味でコーヒー文化の質を高めていかないといけない」と意欲をのぞかせる。

 代表理事会長を6期(10年半)務めた萩原孝治郎前代表理事会長は、連合会と連合会所属7組合の連携強化に尽力。萩原氏が立ち上げの旗振り役となったコーヒーインストラクター検定事業は現在、活動の柱の1つに育っている。

 これを引き継ぐ鈴木氏は「検定受験者は増えているが、資格ブームで終わらせるのではなく、日本のコーヒー文化の質を高めるために検定事業を継続していく。時折、誤った表示している非組合員の自家焙煎の方を見かけることがあり、そのような方たちに組合に入っていただくことを目標に掲げた」と語る。

 新任した畔柳一夫専務理事は各委員会のメンバーが大きく入れ替わったことによる意見交換の活発化に期待を寄せ、同じく新任の北浦正英常務理事は組合員の得意先である喫茶店・カフェの活性化につなげるべく消費振興事業「コーヒーフェア」を見直す考えを明らかにする。

 総会後の記者会見には所属7組合の長も列席し、連合会の方針を受け以下の通り現況と課題を報告した。

◇東日本コーヒー商工組合・畔柳一夫理事長
 会費を見直して組合に入りやすくする考えもあるが、会費を少なくなれば新たなチャレンジがしにくくなってしまうため、バランスをとりながら考えていきたい。また、東日本コーヒー商工組合は24年で80周年を迎えることから、来年しっかり準備して周年事業を行っていく。

◇西日本コーヒー商工組合・雲田将央理事長
 西日本コーヒー商工組合では資本金で組合費を計算しており、資本金が少ない個人事業主の組合費は年間2万4000円。組合員は増え続け来年3月に組合員数は24社となる。ウガンダ出身の方や焙煎機の修理ができる方が新たに加わり、組合員向けの焙煎機の点検・修理サービスやウガンダコーヒーフェアなど組合員のメリットになることを考えている。

◇中国コーヒー商工組合・新谷隆一理事長
 組合員は少ないが賑やかしを図っていく。G7広島サミットが来年5月19日から21日まで広島で開催され、各首脳の皆様にもコーヒーを召し上がっていただきたい。岡山県の瀬戸内海沿岸でコーヒー栽培の実証実験をしている種苗会社があり、自分でコーヒーチェリーを摘んで焙煎して飲むといった一連の流れが中国地方でできている。

◇兵庫県コーヒー商工組合・萩原孝治郎理事長
 兵庫県コーヒー商工組合として引き続き組合員の増強を図っていく。そのために、一番大事なこととして組合員のメリットを考えていきたい。兵庫では、毎年5月に兵庫祭りという一大イベントがあり、来年、一大イベントとしての復活を願っている。

◇大阪珈琲商工組合・高尾武彦理事長
 2025年には大阪・関西万博が開催される。開催に向けて「共創チャレンジ」というSDGsの活動に大阪珈琲商工組合として申し込んだ。そこで何をやるかは今後検討していくが、循環社会の一員になれるという勧誘の仕方で組合員を増やしていかないといけない。

◇京都珈琲商工組合・小川秀明理事長
 コーヒーインストラクター3級の資格が得られるコーヒー教室には非常にたくさんの申込があり、様々な団体からも開催のご要望をいただいていることから、もっとPRして組合んを増やしていきたい。京都珈琲商工組合の特徴の1つで、組合各社が持ち回りでやっている京都ブランドコーヒーは京都の魅力として続けていきたい。

◇中部日本コーヒー商工組合・塩澤彰規理事長
 中部日本コーヒー商工組合は、年会費12万円に加えて社員数×1000円で7組合の中で一番高いと思っている。会費を下げるために何が必要かを考えていかなくてはいけない。議事録のデジタル化によって事務局がなくても運営できるシステムづくりなどを検討していく。

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