抽出を終えたコーヒー粉 全日本コーヒー協会が名称を提案 有効活用も推進

 全日本コーヒー協会(全協)は11月25日、“コーヒーかす”と呼ばれていた抽出を終えたコーヒー粉の呼称を「抽出後のコーヒー粉」もしくは「コーヒーグラウンズ」とすることを提案し普及啓蒙に取り組む。

 酒粕(さけかす)のような定着している名称がある中、コーヒーにおいては抽出後も貴重な資源であるとの認識のもと“かす”の呼び方が馴染まないと判断した。

 この日開催の通常総会で再任された萩原孝治郎会長理事は「(会長理事任期の)1期2年が無事終わり、反省としては組織体制の見直しに追われてしまい活動が思うようにできなかった」と振り返り、2期目はSDGsの取り組みなど活動強化の姿勢を示す。

  その1つに「抽出後のコーヒー粉」の普及啓蒙を挙げ、「抽出後のコーヒー粉」の有効活用を推進していくことも視野に入れる。

11月25日開催の通常総会で再任された全日本コーヒー協会の萩原孝治郎会長理事 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
11月25日開催の通常総会で再任された全日本コーヒー協会の萩原孝治郎会長理事

 コーヒー業界では、サステナビリティの一環として工場などで「抽出後のコーヒー粉」の肥料・堆肥・バイオマスボイラー燃料への活用が進められている。

 全協では、業界での活用促進に留まらず、家庭などでも様々な形で有効活用が進むように普及・啓蒙にも取り組んでいく。

 家庭などでの活用案としては肥料・堆肥・消臭剤・脱臭剤・靴磨き・洗剤代わり・入浴剤への活用などが挙げられるが、抽出後のコーヒー粉を完全に乾燥させてからでないとカビが発生する恐れがあり、また、浴槽の性質によっては入浴剤への活用が困難なことから、発信にあたっては慎重を期す構え。

 「『抽出後のコーヒー粉』の活用例の発信は今後検討していく。私案だが、SNSなどを活用して消費者からアイデアを募るのもよいかもしれない」と語る。