スターバックスで広がるLGBTQ⁺理解の輪 出張授業で自身の経験語る従業員がロールモデルに 制服や校則見直しの動きも

 スターバックスコーヒージャパンは2020年から認定NPO法人ReBitとともに多様性やLGBTQ⁺に関する出張授業を開催し、スターバックス創業当初から大切にしてきているというブランド価値観の1つ「お互いに心から認め合い、誰もが自分の居場所と感じられるような文化をつくること」の伝達に取り組んでいる。

 出張授業は「レインボー学校プロジェクト」と称し、毎年春に期間限定販売される多様性をテーマにしたレインボーカラーグッズの売上の一部がReBitに寄付され出張授業の活動費に充てられている。

 これまで22人のパートナー(従業員)がReBitとともに21の中学校・高等学校・大学で出張授業を行い自身の経験を語ったところ、LGBTQ⁺への理解の輪が広がりをみせているという。

 取材に応じた林絢子マーケティング本部広報部Social Impactチームチームマネージャーは「パートナーが身近なロールモデルになっていることが重要なポイント。“グリーンエプロンをつけた人がどうして学校にいる?”という興味関心から始まり、一人で悩まれている方にとっては自分と同じような境遇の人が店舗でイキイキと働いているのを知り勇気づけられたといったお声をいただく」と語る。

 生徒以外にも、保護者、教職員、スクールカウンセラーがインクルージョン&ダイバーシティを学び、授業後、授業を受けた人から授業を受けていない人への波及の動きや、制服・ヘアースタイルなど校則を見直す動きが報告されている。

 このような反響は授業を行ったパートナーの励みにもなり「生徒のためになったという自信にもつながり、その後の活躍が目覚ましい」と述べる。

 スターバックスは18年から「NO FILTER」をインクルージョン&ダイバーシティのテーマに掲げ「先入観や思い込み、偏見といった心のフィルターを持たない、すべての人が認め合い、多様性を尊重する社会」の実現を目指している。

 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)