サラダとタマゴの価値向上加速 キユーピーのフードサービス事業

キユーピーは市販用に続き、業務用市場でもサラダとタマゴの価値向上の動きを加速させる。この取り組みは下期(22年6~11月)の重要テーマで、業務用市場においても高まる健康ニーズに応じたもの。同社では「サラダとタマゴを食べるシーンを増やす」という姿勢を明確にし、めまぐるしく変化する市場環境に対応する。

執行役員フードサービス本部の岩田清司本部長は同部門の下期について「今後も高まる健康ニーズに対してグループの強みであるサラダとタマゴの価値を高めること、領域を拡大することの両面で施策を推進。業務用市場ではサラダとタマゴを食べるシーンを増やすという提案を積極的に行う」と方向性に触れた。

具体的には、下期はサラダメニュー出現率の向上に注力することを掲げ、業務用市場の回復に貢献するだけでなく、野菜摂取量増加も目指す。野菜から先に食べるという健康習慣を啓発。飲食店では、人気メニューとセットでサラダを提供し、より付加価値を高めさせるといった提案も検討している。
一方、タマゴについては「スノーマン とろっとたまご(洋食店の味)」を使用した流れるドレスオムライスなどのメニューを紹介。加工技術を生かした製品に、メニュー提案を組み合わせることで「食の楽しさ」を提供するとしている。

「スノーマン 丼用たまご(だし風味)」(キユーピー) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「スノーマン 丼用たまご(だし風味)」(キユーピー)

フードサービス部門の秋の新製品は新発売が2品、リニューアルが7品で9月2日から展開する。「キユーピー スタイリングソース レモン&ジンジャー」は果皮と果汁を使った複合的なレモンの風味と、それを引き立てるジンジャーがメニューを上質に調え価値を高める。彩り、香り、風味、アクセントなどを加えるのに適したシリーズ4品目のソースとなる。

「スノーマン 丼用たまご(だし風味)」は、デリカ業態に対応したエリアごとの特徴を意識した味付けの商品。特に関西地方で受ける味付けをイメージ。素材が引き立つだし風味で、売場に映えるタマゴの色調などが特徴。解凍してかけるだけの簡単なオペレーションで、卵でとじた丼のような見た目にすることができる。

10月にはパスタ用マヨネーズ、タマゴ加工品、デリカ向けのたまごサラダ(ベース)を定期外で発売。特にタマゴ関連製品は冷凍食品加工メーカーからの需要が増えており、大容量形態での供給が求められていた。

上期、フードサービスが復調

岩田本部長は22年度上期のフードサービス(業務用)部門の状況について「ほぼ市場の動きと同様で、22年第2四半期は復調傾向」と振り返る。全国でまん延防止等重点措置が解除された4月以降は二ケタ回復し、コロナ前の19年と比較して9割程度の水準まで戻してきた。

フードサービス部門の今期のテーマは「新たな食文化の創造と食の楽しさの提供」「業態対応力の強化」「高まる『健康』ニーズへの対応」。

上期は、外食では手作り感、簡便商品の提案を強化するとともに、トレンドを創出するメニュー提案を実施。デリカではおかず、おつまみ提案を強化し、簡便商品や簡便なオペレーションを提案してきた。また手作り感のある惣菜や付加価値商品の展開などにも努めた。これらが奏功し、「こく味黒胡麻ドレッシング」では外食やコンビニに導入が進み、「具沢山フィリング」や「具沢山ソース」ではベーカリーやデリカなどでの採用が続いた。さらに、新たな定番サラダを創出すべくグループ一丸で取り組んでいる「ペイザンヌサラダドレッシング」は業務用でも500gタイプを追加投入し、居酒屋から外食、デリカ、学校給食まで新たなサラダメニューを提案している。

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