岸田文雄総理大臣は15日の会見で、エネルギー・食糧品価格の上昇について、「ロシアのウクライナ侵攻による、有事の価格高騰」との認識を示した。
そのうえで、輸入小麦の政府売り渡し価格について「ウクライナ情勢で小麦の国際価格は2~3割上昇している。輸入小麦の政府売り渡し価格は10月以降、さらに輸入価格が突出して急騰している状況であれば、必要な抑制を講じ、パンや麺類の価格高騰を抑制する」と言及した。
輸入小麦の政府売り渡し価格(5銘柄平均)は昨年10月期に19%、今年4月期には17.3%と2期連続で大幅な引き上げとなり、パンや麺類など二次加工品の値上げが相次いでいる。
2月のウクライナ侵攻による世界的な小麦相場の上昇に加え、足元では1㌦135円台を突破した円安の加速もあり、次回10月期の政府売り渡し価格は大幅な上昇が見込まれている。
こうした状況を踏まえ政府として輸入小麦の売り渡し価格について何らかの激変緩和措置を講じる考えを示したもの。岸田総理は「物価・景気対策に最大限の警戒感を持って対応し、断固として国民生活を守り抜く」と強調。政府内に「物価・賃金・生活対策本部」を立ち上げるとした。