小麦の価格制度 複雑な仕組み理解へ説明会 日清製粉グループ本社

日清製粉グループ本社は7日、小麦価格制度に関する説明会を開催した。冒頭、日清製粉グループ本社広報部の安達令子部長があいさつ。安達部長は「ようやく新型コロナウイルスが落ち着いたころにウクライナ情勢も加わり、小麦の高騰というニュースが飛び込んできた。かなりの価格高騰で先行きも芳しくない。今後もさらなる値上げが予見される。今回ご説明する小麦価格制度はよく考えられた制度だと理解している。一方で一言では言い表せず複雑とも感じている。この制度の仕組みを理解していただくことで、主要食糧である小麦、小麦粉についての関心と理解を深めていただき、今後のニュースを受け止めてほしい」と開催目的を語った。

小麦の価格制度については、日清製粉業務本部の川勝仁グループリーダーが解説。小麦が食卓に届くまでのバリューチェーンを説明した後、輸入小麦の即時販売方式を解説した。一方、国内産小麦についても生産量の推移に触れるとともに、日清製粉が展開する日本各地の小麦を使った小麦粉銘柄や、同社と全農、農研機構による国内産小麦の共同開発について「用途が限定されない汎用性が高い国内産小麦の開発に着手している」とテーマを紹介した。

国内産小麦の課題については、「小麦は農産物だが、小麦粉は工業製品と認識されており取引先からは常に同品質の小麦粉を求められる。日本が調達する輸入小麦は品質のブレが少ないのが特徴。国内産は同じ品種であっても地域や収穫年によって差が出てしまうという課題がある。製粉会社は小麦の配合や製法を変えることで小麦粉の品質維持に努めている」と現状の取り組みを述べた。

価格改定については、穀物相場や為替、海上運賃といった値上げ要因を挙げ、相場連動性で消費者の手に届くまで価格の変動が反映される点にも言及。輸入小麦の政府売渡価格と小麦粉販売価格改定、さらに国内産小麦の価格改定の仕組みも解説した。

最後に川勝氏は「パートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑化施策パッケージ」や「食品製造業者・小売業者間における適正取引推進ガイドライン」といった行政による製品価格転嫁への後押し施策も紹介した。