栃木干瓢組合 生産量激減で毛塚新理事長が危機感訴え

かんぴょうの産地問屋で組織する栃木県干瓢商業協同組合は、5月25日に通常総会を開催した。

役員改選が行われ、伊澤茂理事長(伊沢商店社長)が退任。新理事長に毛塚安彦氏(ヤマケ社長)が選出された。

あいさつした毛塚理事長は「さまざまな課題が山積しているが、今は消費宣伝よりも生産振興。昨年も生産量はかなり減った。これは構造的な問題で、高齢化は日本の農業の根本的な問題ではないか」と危機感を表明した。

夏場の重労働であるかんぴょう作りは一人では作業が難しく、家族のうち誰かが体を壊すと廃業せざるを得ないのが現状だという。

「(原料のユウガオは)収穫時期が短期間に限られ、他の作物のように通年での収益が見込めないことが新規参入のハードルになっている。今が最後の砦。高齢化するなかでも作っていただいている農家もまだあり、若い人も今なら教われる。あと5年もして農家の年齢が80歳を超えてからでは遅い。早々に理事会を開き、生産振興への全体会議を行いたい。かなり深刻な状況だ」と毛塚氏は訴えた。

今年度は関係機関の協力も得ながら生産振興に注力するほか、生産者向けにユウガオの苗の無料配布を継続。来年に20回目を迎える「栃木のかんぴょう祭り」はさらに充実。若手の組合員を中心にWEBを活用した情報発信にも努める。また、国際医療福祉大学と連携したかんぴょうの健康効果の研究も進め、消費拡大につなげる方針。

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