永谷園 絞り込み一巡、攻めに 成田新社長が会見

永谷園は13日、4月1日付で就任した五十嵐仁会長、成田健一社長の会見を行った。五十嵐体制の3年間では、「創る」「作る」「売る」の連携強化を最大ミッションに、売上と利益の最大化、商品の選択と集中、成長分野への人材投入を推進。コロナ禍による環境変化も前期(2022年3月期)で売上、利益ともに経営体質を改善した。「永谷園フーズ」設立など社内体制の整備を果たし、成田新社長へバトンが移った。

成田社長は、「安心安全かつ高品質で美味しい商品をお客様に提供し続け喜んでいただく。味ひとすじ。『創る』『作る』『売る』を全体最適で考え、強いチームを作っていきたい」と力強く抱負を述べ、少子高齢化が進む中でユーザーの世代交代に言及し、「従来のお客様に加え、若い世代のユーザーをいかに取り込むかが課題だ」と述べた。

五十嵐会長は「生産体制整備、商品の新陳代謝も進め、売上が利益に結びつき再投資できる流れができたが、成長過程に至らなかったのが反省点。成田社長は胆力が強く正直な方で、出藍の誉れ。新社長が打開してくれると期待している」とエールを送った。

今期の事業方針については「商品の絞り込みは一巡した。これから攻めに入る」(成田社長)とし、新たな市場作りの準備を進める。また既存商品では「麻婆春雨」「レンジのススメ」などで戦略的アプローチを推進するとともに、発売70周年を迎え、「お茶漬けの日」(5月17日)が認定された「お茶づけ海苔」の需要拡大に取り組む。