栽培地が半減「コーヒーの2050年問題」へ危機感 キーコーヒーが専門部署創設

キーコーヒーは4月1日に社長直轄の専門部署「コーヒーの未来部」を立ち上げ、持続可能なコーヒー生産に向けた体制を整える。

地球温暖化で気候変動が続くと2050年にはアラビカ種の栽培適地が15年比で50%にまで減少する「コーヒーの2050年問題」への危機感の表れとみられる。

コーヒーの未来部は、同社のSDGsの一翼を担うコーヒー生産に特化した組織。柴田裕社長が部門長を務め、これまで各部門で進めてきたコーヒーの生産に関する多岐にわたる業務と情報をコーヒーの未来部が集約し機動的に対応する。

多岐にわたる業務と情報には、インドネシアでのトラジャ事業、さまざまなコーヒー生産国での関係機関との連携、品種開発や生産支援などが挙げられる。

アドバイザーには川股一雄取締役副社長執行役員と中野正崇取締役執行役員SCM本部長が就く。

コーヒーの未来部では

①栽培技術
②新品種開発
③情報活用・商品化
④産学連携
⑤啓発広報

――の5つの領域で活動する。

このうち産学連携では、16年から協業している国際的な研究機関ワールド・コーヒー・リサーチ(WCR)とともにコーヒー生産国と品種の多様性を確保し新品種開発に向けた取り組みを行う。

これに加えて、独立行政法人国際協力機構(JICA)と契約締結を予定し、JICAの民間連携事業として「栽培管理支援アプリを活用したアラビカコーヒーの生産性改善に係る案件化調査」に取り組みデジタルを活用した営農管理と栽培管理の実現を目指す。

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