クリスマスの乾杯飲料として知られる炭酸飲料「シャンメリー」。昨年、「鬼滅の刃シャンメリー」のヒットで沸いたトンボ飲料が今年も11月1日から「鬼滅の刃シャンメリー」を発売している。
展開2年目の今年は、パッケージデザインとオリジナルラベルを刷新。オリジナルラベルは“お楽しみラベル”を追加し昨年よりも1種類多い計9種類をラインアップしている。
生産数量は前年比約135%。
出荷は好調で「昨年より前倒しでの発注があり、出荷数量が増加。七五三など催事にからませて早期展開される導入店が増加傾向にある」(トンボ飲料)という。
同社は、“クリスマスにシャンメリー”の発祥の地とされる富山県に本社を構え、「鬼滅の刃」ほか「ポケモン」「名探偵コナン」「ドラえもん」の各キャラクターをあしらったオリジナルラベルのシャンメリーを発売している。
昨年は「鬼滅の刃シャンメリー」を発売したところ10-12月のシャンメリー販売数量は前年同期比70%増を記録した。
シャンメリーは、全国シャンメリー協同組合の登録商標で組合に加盟する全国の中小企業がクリスマスに向けて製造する炭酸飲料。
「中小企業の生産分野品種」として法律に定められているため大企業は生産しておらず、全国シャンメリー協同組合加盟の地元中小企業が製造する限定品でもある。
360mlガラス瓶と“ポン”という開栓音のするキャップが特徴で子ども用のイメージが強いが、世代を超えて家族で楽しめるノンアルコール飲料としても適している。
シャンメリーの原型の誕生は1947年にさかのぼり。戦後間もない東京で進駐軍が楽しげに飲むシャンパンをヒントに、東京の飲料会社が製造を開始したのがはじまりと言われている。
当時は、お酒ではないシャンパンとして「ソフトシャンパン」と呼ばれていたが、フランス政府から「シャンパン」の名称の使用禁止を求める動きが起こったため、それに替わる名称として1972年に「シャンパン」の「シャン」と「メリークリスマス」の「メリー」を合わせてシャンメリーが考え出された。
シャンメリーは当初、夜の歓楽街の料飲店が販路で大人向けのソフトドリンクやお土産物として販売されていた。
シャンメリーがスーパーに売られクリスマスの定番になったのは、トンボ飲料の翠田康志氏(現・会長)が開栓時の“ポン”という賑やかな音や炭酸のきらびやかなイメージはホームパーティにも適していると大手スーパーに提案したことが契機になったとされる。