納品期限の緩和 実施小売業186社に拡大 官民挙げて商慣習見直しへ

食品ロス削減のための商慣習検討ワーキングチーム(事務局・公益財団法人流通経済研究所、農水省補助事業)は先月29日、サプライチェーンの食品ロス削減につながる「加工食品の納品期限緩和」および「賞味期限表示の大括り化(年月表示、日まとめ表示)」に取り組む企業名を公表した。

今夏の調査では、納品期限を緩和した小売業は186社。今年度新たに実施した企業数は52社で全体の28%。食品スーパーで緩和の動きが拡大しているほか、ドラッグストア・薬局でも広がり始めている。

また、加工食品の幅広い品目を対象として納品期限を緩和している小売業(清涼飲料、賞味期限180日以上の菓子、カップ麺、袋麺、レトルト食品、その他加工食品のすべてで納品期限緩和アイテムがある小売業)は83社で全体の44.6%。生活協同組合とコンビニが6割を超え、意欲的な取り組みが行われているとした。

納品期限の緩和、いわゆる「3分の1ルール」の見直しは、食品ロス削減とCO2排出量削減につながる「極めて重要な取り組み」であり、同ワーキンググループでは許容納品期限を1/2に緩和することを推奨しており、各社の取り組みを促している。

小売業の納品期限緩和の動きは着実に広がっており、20年10月の調査では売上高シェアで食品小売業の約34%が納品期限緩和を進めている。ただ、地域別の導入状況や小売各社の納品期限にバラつきがあり、出荷元の卸・メーカーの負荷も課題となっている。

納品期限の緩和は、食品ロス削減、CO2排出量削減だけでなく物流課題の解決からも重要なテーマだ。日本加工食品卸協会では環境対応や持続可能なサプライチェーン構築の観点から、「賞味期間180日以上の全カテゴリーで納入期限の統一化」「小売への納入期限1/2を業界標準」とすることを求めている。

SDGsの意識が高まり、小売業の現場でも納品期限緩和への理解は進んでおり、「加工食品すべてで納品期限を緩和したが問題は発生していない」という声もある一方で、最短で陳列1か月で値引きとなる可能性もあり、地域性や商品特性によっては対応が難しい場合もある。こうした現状もふまえ、製配販3層が議論・検討を深め、サプライチェーン全体の取り組みと消費者理解の促進が重要となっている。

また、「賞味期限表示の大括り化」(年月表示・日まとめ表示)を導入した企業は233社、今年度新たに実施を把握した企業数は70社(全体の31.4%)に拡大。缶詰、びん詰、レトルト、清涼飲料、菓子、調味料のメーカーで取り組みが広がっている。

農水省でも10月30日を「全国一斉商慣習見直しの日」として、納入期限の緩和や賞味期限表示の大括り化に取り組む企業を公表。官民挙げて、商慣習見直しの機運が高まっている。