カップ麺 和風戦線異状あり 「ごつ盛り」参入の影響は

東洋水産は28日、大盛カップ麺「ごつ盛り」ブランド初の和風「ごつ盛り きつねうどん」「同 天ぷらそば」(麺86g、オーププライス)を関東甲信越地区で発売する。和風カップ麺の大盛は、明星食品の「旨だし屋」(麺90g、オープンプイラス)が勢力を拡大中だが、「ごつ盛り」の登場で大盛のみならず和風カップ麺市場全体への影響も注目される。

和風カップ麺と言えば、今年発売45周年を迎える日清食品の「日清のどん兵衛」(以下、どん兵衛)シリーズ、東洋水産の「赤いきつねうどん」「緑のたぬき天そば」(以下、「赤緑」)シリーズという東西の横綱が市場に君臨。汁なしなどのバリエーション商品を含め、圧倒的なラインアップを展開しているが、大盛サイズについては近年、若干事情が異なっている。

和風大盛カップ麺市場を形成するのは、「どん兵衛 特盛」(麺100~101g、税別220円)、「赤緑」の「でか盛り」(麺100g、税別220円)、日清食品の「日清デカうま きつねうどん」(麺90g、オープンプライス)、そして「旨だし屋」などだが、2016年に発売の「旨だし屋」は、コストパフォーマンスの良さなどが支持され、じわじわと勢力を拡大中だ。

「旨だし屋」伸長の背景には、コロナ禍による購買チャネルの変化も影響しているものと見られる。実際、2020年度の食品小売市場では、量販、ドラッグストア、ディスカウントストアなどが好調に推移する一方、コンビニは苦戦した。和風カップ麺でも、「どん兵衛」シリーズの価格コンシャスユーザー向け「あっさりおだしがおいしい」が売上げを伸ばすといった変化が現れている。

こうした環境の中、市場に登場するのが大盛トップブランドの「ごつ盛り」。同ブランドはこれまで、焼そば、中華のみで和風はなかった。カップ焼そば、どんぶり中華ジャンルは同社シェアが必ずしも高くないため、「ごつ盛り」投入による既存品への影響が少ないと見られていたが、今回は既存「赤緑」への影響が想定される和風商品。コロナ禍で価格コンシャスユーザーが増加。それに伴い、ドラッグやEDLPのディスカウントストアが台頭する中、和風のオールターゲットに対応する狙いと見られる。

コロナ禍が長引く中、生活者の購買行動は変化し、大手量販トップからも価格政策強化という発言が聞かれるように、価格戦は激戦模様。サイズが異なるとはいえ、自社の強力2ブランドを和風ジャンルにぶつける、という施策の結果がどう出るか。即席麺業界に限らず、加工食品業界全体の注目を集めそうだ。