キリン 健康領域の飲料に手応え “摂りすぎない健康”と“プラスの健康”の両輪で

キリンビバレッジの健康領域の飲料が、“摂りすぎない健康”と“プラスの健康”の二つのアプローチで堅調に推移している。19-21年の3か年中期経営計画の最終年度となる来期(12月期)も、CSVの実践とともに健康領域を強化していく。

18日、合同取材に応じた堀口英樹社長は「中計のフレームワークは変更せず、21年はCSVの観点から健康と環境を中心に活動していく。来年は『午後の紅茶』が発売35周年を迎えるため積極的に販促しながら、皆さまに期待していただけるような活動を展開していきたい」と意欲をのぞかせる。

健康領域で目下、勢いづいているのは“プラスの健康”であるキリングループの独自素材「プラズマ乳酸菌」を使用した「iMUSE(イミューズ)」ブランドの飲料。健康志向の高まりでそもそも上昇基調だったところに、「iMUSE ヨーグルトテイスト」「iMUSE レモンと乳酸菌」「iMUSE 水」の飲料3品を11月24日に機能性表示食品としてリニューアル発売したことで勢いが加速した。

発売後、約3週間で合計2千万本を突破し、プラズマ乳酸菌入り飲料の11月単月の販売数量は前年同月比約3・6倍、「iMUSE」ブランド飲料では前年同月比約8・4倍と好発進となった。「プラズマ乳酸菌の効果が機能性表示食品として受理されたことで明確になったことがポイント。どれくらい伸びるかは未知数で、それくらいポテンシャルがある」と期待を寄せる。

「iMUSE(イミューズ)」ブランドの飲料3品
「iMUSE(イミューズ)」ブランドの飲料3品

“プラスの健康”では、19年に資本業務提携を締結したファンケルとの初の共同開発商品も出足好調となった。10月6日に新発売した「キリン×ファンケル BASEピーチ&ザクロ」は、11月末日までに23万ケースを販売し「計画を上回って推移している」。

同商品は、ファンケル独自の組み合わせであるHTCコラーゲン500㎎とバラつぼみエキス5㎎に加えてビタミンC27㎎を配合した新フレーバーウォーターで、キリンビバレッジの飲料開発技術によって忙しい女性が仕事や家事の合間に飲むことを想定して開発された。

“摂りすぎない健康”では「午後の紅茶おいしい無糖」が好調。「おいしい無糖」は、かねてから日常のお茶としてウィズフード(食事に合う)をテーマにコミュニケーションを展開し9年連続で成長。19年はカレーに合うことを訴求し、前年比20%増の販売数量を達成した。今年はコロナの影響で飲料市場が落ち込む中、6月にパッケージを刷新したことやエスビー食品のカレーとコラボしたキャンペーンなどが奏功した模様だ。

6月に新発売した無糖炭酸水「キリンレモン スパークリング無糖」も好調で、同商品が寄与して「キリンレモン」トータルの1-11月販売数量は前年同期比6%増となった。「生茶」では、9月15日に発売した「ほうじ煎茶」が発売後3週間で2千万ケースに達した。

堀口英樹社長(キリンビバレッジ)
堀口英樹社長(キリンビバレッジ)

“摂りすぎない健康”ではそのほか、微糖の「午後の紅茶ザ・マイスターズ」シリーズやブラック無糖コーヒーの「ファイアワンデイブラック」も堅調に推移している。

商品以外では、将来への種まきとして、働き盛り世代のの欠食と政府が推進する健康経営に着眼した法人向け福利厚生サービス「Kirin naturals」を19年1月から開始し、現在約300拠点に導入されている。10月からは、リモートワークに対応した新プランとして「Kirin naturalsベーシックプラン」の展開を開始した。

なお、「Kirin naturals」は12月15日に受賞式が開催された「Japan Branding Awards2020」で、ブランディングを通じて著しい成長を収め卓越したオリジナリティのある取り組みに贈られる「Rising Stars」賞を受賞した。