冷凍餃子・ポテサラ論争に見る料理の社会分業化

冷凍餃子とポテトサラダが今夏、SNSで話題となった。「冷凍餃子は手抜き」「ポテトサラダぐらい手作り」という一言が、毎日の食事作りで忙しい女性の心を逆なでし、大論争を巻き起こした。

▼かつて担当記者として冷凍餃子とポテトサラダが躍進する過程を見てきた立場とすれば、「いよいよ来たな」というのが正直な感想だ。15年前、包装惣菜のトップメーカー・ヤマザキの山﨑寛治会長は「料理の社会分業化はこれからだよ」と仰っていたが、働き方改革やコロナ禍の巣ごもりで、その流れは一気に加速した。

▼「冷凍餃子は“手間”抜き」のリツイートで多くの共感を得た味の素冷食の「ギョーザ」は単品200億円規模のガリバー商材。大阪王将の「羽根つき餃子」も単品100億円を超え、両雄の切磋琢磨が市場を牽引し、今や外食チェーンにとどまらず、冷凍餃子の無人販売店も登場するほど裾野は広がっている。ポテサラもCVSに刺激され、スーパー各社も名物商品として打ち出すようになった。

▼冷凍餃子もポテトサラダも古くからの定番商品だが、常に進化を続けている。今回の論争で気づかされたのは「これだけ売れていても、まだまだ知らない人がいる」ということ。秋冬商戦に向けて新たな顧客獲得のチャンスは広がっている。