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飲料系飲料牛乳消費促進 休校の延長で重要性高まる 各社がお役立ち情報を発信 プラスワンプロジェクトに賛同

牛乳消費促進 休校の延長で重要性高まる 各社がお役立ち情報を発信 プラスワンプロジェクトに賛同

政府の緊急事態宣言が5月末まで延長されたことを受け、いくつかの自治体は臨時休校の延長を決定した。

これにより学校給食向け牛乳のキャンセルが続き、生乳の生産量が乳業メーカーの乳製品の製造能力を超え、行き場を失った生乳を廃棄せざるを得ない状況に陥るおそれがある。

農林水産省は、この6月までの生乳生産のピークを乗り切ることができれば、生乳の廃棄といった危機を回避することができると考え、酪農家の支援を目的に、牛乳やヨーグルトを普段より1本多く消費することを推進する「プラスワンプロジェクト」を4月21日に開始。これに賛同する動きが各所で強まっている。

全農広報部は、ラッシーやウイスキーの牛乳割り、減塩味噌汁といった牛乳を使ったレシピツイッターで発信。乳業メーカーもSNSなどを使って牛乳・乳製品の消費を呼びかけ、乳業メーカー以外からも自社商品を使って様々な提案を行っている。

左から「〈ブレンディ〉スティック冷たい牛乳で飲む」シリーズと「日東紅茶 朝の大麦ラテ」
左から「〈ブレンディ〉スティック冷たい牛乳で飲む」シリーズと「日東紅茶 朝の大麦ラテ」

スティック(パウダー)で提案するのは味の素AGF社で、「〈ブレンディ〉スティック冷たい牛乳で飲む」シリーズでのプラスワンプロジェクトの参加をツイッターで呼びかけた。

同シリーズは、冷水に溶けることを訴求した「ブレンディ」スティックシリーズのアイスタイプとの差し替えで発売されたもので、アイスタイプのユーザーを調査したところ、その大多数が水よりも牛乳で溶かしていることが浮き彫りになったことで開発された。

「カルピス」や「三ツ矢」を使ったアサヒ飲料の提案(上)と「ボス カフェベース」(サントリー食品インターナショナル)
「カルピス」や「三ツ矢」を使ったアサヒ飲料の提案(上)と「ボス カフェベース」(サントリー食品インターナショナル)

パウダーはそのほか、三井農林が、しっかり栄養をとりたい”をコンセプトに、食物繊維と6種のビタミン、カルシウム、鉄分を入れた「日東紅茶 朝の大麦ラテ」で牛乳に溶かした飲み方を推奨している。

濃縮飲料(コンク)では、 アサヒ飲料が、SNSなどを活用して濃縮飲料の「カルピス」を牛乳で割った飲み方の提案を強化。「カルピス」公式ツイッターアカウント「カルピス“水玉通信”」では「簡単につくれるから、親子でも楽しめて、ママ授業にもおすすめ」(アサヒ飲料)のメニューとしてゼリー、プリン、バナナスムージーの過去の発信をまとめたほか、ユーザーから投稿されたレシピを積極的に紹介している。

サントリー食品インターナショナルも濃縮飲料「ボス カフェベース」で牛乳を使ったアレンジメニューを公開。ツイッターでは「アレンジメニューがなんと12種類 これで“毎日牛乳をモ~1杯”」などとつぶやいている。

濃縮以外の飲料では、キリンビバレッジが4月28日にリニューアル発売した「世界のKitchenからソルティライチ」でつくるラッシーを提案。

左から「世界のKitchenからソルティライチ」(キリンビバレッジ)を使ってつくるラッシーと「ポッカレモン100」(ポッカサッポロフード&ビバレッジ)を使ってつくるレモンラッシー
左から「世界のKitchenからソルティライチ」(キリンビバレッジ)を使ってつくるラッシーと「ポッカレモン100」(ポッカサッポロフード&ビバレッジ)を使ってつくるレモンラッシー

「みなさん…聞こえますか…ラッシーが話題ですが…」の出だしでツイートしたところ、全農広報部がこれを受け「牛乳レシピが…また増えました…ありがとう…」とリツイートし両者のやりとりが繰り広げられている。

レモンに含まれるクエン酸には牛乳に含まれるカルシウムを体内へ吸収しやすい形に変える働き(キレート作用)があることが分かっており、ポッカサッポロフード&ビバレッジではかねてから自社サイトで「ポッカレモン100」を使ったレモンラッシーのレシピを公開し、生乳廃棄の懸念が浮上した3月上旬からはツイッターで積極的に発信している。

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