増税の反動続くビール類 主力ブランド復調の動き

大手ビール各社の発表によると、11月のビール類市場は前年同月比94%前後とされ、業界では消費増税の反動を引きずっているとの見方が多い。このうちビールは92%前後、発泡酒89%前後、新ジャンル(第3のビール)は前年並み。

増税前の9月単月のビール類市場計は117%前後(うちビール113%、発泡酒115%、新ジャンル115%)とみられ、一定規模の駆け込み需要が発生したと考えられている。10月には反動が生じビール類市場計88%となり、これが11月にも続いた形だ。概ね想定内との意見が多いが、年末の需要期にかけてどの程度回復するかに注目が集まる。

9~11月の中では回復の兆しも見られるという。アサヒビール「スーパードライ」1~8月累計は前年同期比94・7%だったが、1~11月累計では95.3%と復調傾向。キリンビール「一番搾り」は9~10月の2か月間では105%、缶は115%。サントリービール「ザ・プレミアム・モルツ」ブランドが10月は前年並み、11月は96%と市場トレンドを上回った。サッポロビールも9~11月のビール類計が前年並み、ビールは101%だった。単純に比較できないが、「想定し得る最悪の状況ではない」との声は多く聞かれる。

駆け込み需要では、ビール類ではケースやパック、他酒類では大型容器などが購入されたという。10月はそれらが飲まれるために数字を落としたが、11月頃から購入が戻り始めているとされ、年末需要期には期待がかかる。

中でもキリンビールの新ジャンル「本麒麟」は10月113%、11月132%と好調さを維持。微減傾向が続くビール類で「まだ需要を喚起することができる」(競合社)とみる向きもある。

来年には五輪や酒税改定が控える。五輪はビールに追い風となるとの見方は多いが、10月の酒税改定ではビールは減税、新ジャンルは増税、RTDは据え置きとなる。それまではビールとともに新ジャンルも軸に据えた商戦が展開されようが、10月以降にはビール、新ジャンル、RTD間の回遊がどのように動くのか「読めない」との声も多く、各社の施策が注目されるところだ。