6.1 C
Tokyo
3.1 C
Osaka
2025 / 12 / 06 土曜日
ログイン
English
逆光線(コラム)訃報相次ぐ塩業界 重鎮の遺したもの

訃報相次ぐ塩業界 重鎮の遺したもの

岩手塩元売・東日本ソルトの宮澤啓祐社長が逝去した。故宮澤氏は宮澤賢治の親戚関係にあり、自身が宮澤賢治記念館の館長も務めていた。名刺を頂くと、その裏には幾つもの企業・団体の肩書きが並んでいたのを思い出す。それだけ東北経済界の重鎮であった。

▼宮澤氏は専売制度廃止以降の塩流通の中心として、業界をリードする役割を担ってきた。数年前に病を患って以降は、次の世代にバトンタッチし、表舞台からは徐々に遠のいていた気がする。

▼日本塩工業会の相澤英之会長も逝去された。相澤氏は大蔵省官僚から衆議院議員となり、「予算は夜つくられる」など執筆活動もしていたので、知っている人は多い。相澤会長は戦中下の中国で塩がいかに貴重な物資であったか、会合等でよく話しておられた。

▼今や空気や水のように当たり前の存在である塩だが、戦中戦後を経験した人にとっては違う。塩業界の人にとって、国民に対して塩に不安を抱かせることなく仕事をし続けてきたことが最大の矜持である。当たり前にあるものほど、その素晴らしさを伝えることは難しい。

関連記事

インタビュー特集

日清オイリオ久野社長 価格改定の早期完遂目指す 家庭用、中長期視点で強化

日清オイリオグループの久野貴久社長は、喫緊の課題として価格改定の早期完遂と、ホームユース(家庭用油)の販売強化に取り組む方針を示した。

J-オイルミルズ春山社長 次元の異なるコスト環境 油脂、価格引き上げ急ぐ

J-オイルミルズの春山裕一郎社長執行役員CEOは、油脂のコスト環境が悪化する中で、「価格改定の浸透を急ぐ」方針をあらためて強調した。

新潟・葵酒造、2年目は自社栽培米で仕込む 「Domaine Aoi」始動 「日本酒になじみがない方にも」青木代表

「飲むことで幸せを感じられるような日本酒を提供していきたい」と話すのは葵酒造(新潟県長岡市)の青木里沙代表取締役。昨年冬、JR長岡駅からほど近い場所に位置する創業160年超の旧高橋酒造から事業を引き継ぎいだ。

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。

ウーケ 花畑佳史社長 パックごはん、第4工場が来春本格稼働 国内外に新規拡大増やす

利便性と品質向上により、年々市場を拡大するパックごはん。最近はコメ価格高騰の影響や防災食への利用増加が相まって、需要はさらに伸びている。