その火は燃え続ける

米歌手ビリー・ジョエルのヒット曲「We Didn’t Start the Fire(邦題:ハートにファイア)」は、彼が誕生した1949年から同曲発表の1989年までの、政治、経済、文化、芸術、スポーツ等々、時代を映す出来事や人物を網羅。アメリカ史を概観したその歌詞の内容から、教科書にも掲載された。

▼翻って、わが国では、平成最後の年を迎え、この30年間を振り返る企画、特集が目白押しだ。食品業界の平成30年間を歌にするのなら、どのようなワードが並ぶのだろう。時代を飾ったヒット商品や業界を創り上げた先人たちの功績の数々。その一方で、事件・事故や不祥事といった項目にも事欠かない。

▼4月1日に新元号が発表され、「平成」から「令和」へと、時代が動く歴史的瞬間まであと2週間を切った。これからは振り返りではなく、前に向かって進んでいくことが大切だ。

▼曲のサビには「火を付けたのは我々じゃない。それはいつも燃えていた」、そして「それと戦おうとしてきた」とある。食品業界に燃え続けるのは、くすぶる不祥事の種か、次代を照らす灯か。