ポッカサッポロフード&ビバレッジは、20周年を迎えるスープブランド「じっくりコトコト」の今期マーケティング方針を明らかにした。
同ブランドは96年に当時のポッカコーポレーションから箱入り粉末スープ「じっくりコトコト煮込んだスープ」として発売され、その後にカップ容器、缶入りも加わり現在は3形態で販売。この10年間で出荷額は220%と市場を上回る躍進を遂げ、昨年も2ケタ増を維持。同社の基幹事業として着実に成長を続ける。
この秋冬は「あなたの毎日をアップグレードする濃厚とろ〜りなコク深スープ」とのブランドメッセージを掲げ、20周年を記念したキャンペーンを展開。最大の売れ筋である「こんがりパン」入りカップ容器シリーズを全面リニューアルするほか、夜の食シーンにも進出。電子レンジ対応レトルトパウチ容器を採用した新シリーズ「ご褒美Dining」3品=写真=を8月22日から発売する。
レトルトスープは過去にも発売したことがあるが近年は途絶えており、今回は“一人のディナー”に焦点を当てて本格参入。〈香り芳醇きのこポタージュ〉など夕食シーンにマッチした贅沢感のあるメニューで、夜の食卓に定着を図る。
25日の発表会で、同社マーケティング本部スープ戦略グループリーダーの黒柳伸治氏は「粉末インスタントは便利ではあるが、一日で一番重要な食シーンである夜に飲むスープとしては、やや心が満たされない。これが一つの壁だった。粉末インスタントにはない、便利だけど贅沢、おいしいということが非常に重要。1食230円は高いという印象を持たれるかもしれないが、価格に見合うようディナーの主菜に負けない満足感を目指した」と説明。単身層を中心とした食の外部化ニーズに対応し、惣菜売場などでの展開も図りたい考えを述べた。
このほか缶スープでは、既存のコーンとオニオンに加えて〈海老のビスク〉を発売。女性をターゲットに、開缶時に爪を傷つけずリキャップ可能な広口容器を新採用し、130円とやや高めの価格設定で上質イメージを強調する。