サントリー食品インターナショナルの小野真紀子社長がこのほど、フランス政府からレジオン・ドヌール勲章シュヴァリエを授与された。
レジオン・ドヌール勲章はナポレオン・ボナパルトによって1802年に制定され、フランスに貢献した人物や組織などに与えられるもの。日本人では、これまでに渋沢栄一氏、黒澤明氏、豊田章男氏、コシノジュンコ氏らが授与された。
小野社長は1982年にサントリーに入社。国際部に配属され主に海外畑を歩み、1983年に「シャトー ラグランジュ」の買収案件、1991年にサントリー初の女性海外駐在員としてパリに赴任しオランジーナ・シュウェップス・グループ社の買収案件に携わった。2020年1月1日にはOrangina Suntory France(現サントリー食品フランス)CEOに就き、コロナ禍で経営の舵取りを担った。今回の授与は、このような活動が評価されたとみられる。
2月13日、フランス大使公邸で行われた叙勲式でベアトリス・ル・フラペール・デュ・エレン次期駐日フランス大使は「フランスと日本の経済、文化関係や人間関係の発展に著しくご尽力され、キャリアを通じて常にフランスへの愛着を示してくださった小野さまに、フランスより感謝の意を表明する」と称える。
授与を受け小野社長は「今回の授与は私個人に対していただいたものではあるが、これまでともに歩んできた多くの先輩、仲間、そして支えてくださったすべての皆さまのお力の結晶」と感謝する。
小野社長が「私にとって第二の祖国ともいえる」と語るフランスとの関係は、1983年にまで遡る。
1982年にサントリーに入社した小野社長が、翌83年に初めて携わった仕事がフランス・ボルドー地方の名門ワイナリー「シャトー ラグランジュ」の買収だった。
買収にはフランス政府の認可が必要となり、認可取得まで約1年半の歳月を要した。
「ワインの名門であるメドック地方で、『欧米人ではない日本人のオーナーを迎えるのか』と当時のフランスにとっても大きな出来事だった。サントリーのことを理解していただき、フランスのワインの成長に貢献できるとご理解いただくのにかなりの時間を要した。認可取得後、現地の専門家も交えながら葡萄畑の整備や醸造設備の入れ替えを行い、ワインの品質を高めていった苦労は忘れがたい」と振り返る。
サントリー食品フランスCEO時代については「厳しいロックダウンの中でも、商品を作り続けお客様に届けなければならなかった中で、工場を2週間閉鎖するという話が浮上した。そこでボランティアを募り、それに応えてくださった従業員でなんとかラインを稼働させ、主力商品の供給を継続できた」と語る。
当時、営業や人事などリモートワークを行っていた部署の従業員が、工場で働く従業員に向けて送った感謝のビデオメッセージが印象に残っているという。
「フランスで重要な、自由・平等・博愛と並んで素晴らしい価値観であるsolidarité(連帯・仲間意識)を感じた」と述べる。
今後については「これからも日仏両国の交流と友好の懸け橋として、さらに貢献できるようより一層努力する」と決意を固める。
小野社長は2023年、女性として初めてサントリー食品インターナショナルの社長に就任。今年3月下旬、サントリーホールディングスの取締役専務執行役員に就任予定。


