飲料系飲料「森永甘酒」51年目の原点回帰 ほっとする安心感のパッケージに 好評のホット飲用で差別化も

「森永甘酒」51年目の原点回帰 ほっとする安心感のパッケージに 好評のホット飲用で差別化も

 森永製菓の「森永甘酒」は発売51年目となる今年、パッケージリニューアルした「森永甘酒」本体を中心に原点のほっとする安心感を訴求していく。

 マーケティング本部食品マーケティング部の熊野貴文氏は「過去の歴史を紐解き、甘酒ならではの深いコク・やさしい甘さによる安心感や落ち着きという価値を伝えていく」と語る。
好評の中味はそのままに、「王道感」をテーマにパッケージをブラッシュアップさせた。

 背景は赤のグラデーションで複雑な味わいとコクを表現。ブランド認知を高めるため、ロゴを大きくし縁取りもはっきりさせた。

 その上で、これまで記載していたパッケージ上での「売上№1」の表現も見直した。

 その理由について「メジャーな商品になるほど、売上№1だからではなく不変の価値で買われていると考え、今回『売上No.1』の記載はやめた」と説明する。

 引き続き甘酒市場で売上1位を維持していることから、HPや広告には売上No.1を記載する。

 パッケージ裏面には新たにおいしい温め方を詳述。新WEB動画と併せて、ホット飲用を訴求していく。

 「数千人のユーザーを対象に飲み方を調査したところ、マグカップなどに移して温めて飲む方が非常に多かった。他の甘酒はチルドで冷やして売られているものが多いことから、温めて飲むシーンの獲得は差別化にもつながる」と商機を見いだす。

 裏面には二次元コードをあしらい、甘酒アレンジレシピサイトへのアクセスを促す。

 サイトでは「過去には難しいレシピも掲載していたが、簡便性を重視される時代にはなかなか作っていただけない」ことを踏まえ、牛乳やココアと混ぜるだけの簡単なレシピをピックアップしている。

 リニューアルに際し、ターゲットは甘酒のメーンユーザーである50~70代に絞り込んだ。

 「昨年は、若年層を取り込むコミュニケーションを強化したことで、一部のメーンユーザーが離反してしまった。改めて甘酒のヘビーユーザーの方に飲んでいただけるよう、原点回帰を行った。ターゲットを絞ったことで、しっかり刺さっている手応えがある」と述べる。

リニューアルした「森永甘酒」㊨ 左は従来品
リニューアルした「森永甘酒」㊨ 左は従来品

 コミュニケーションではパッケージリニューアルとホット飲用を訴求する新しいWEB動画を9月1日に公開した。そのほかターゲット層の利用が多い雑誌やラジオでの広告、動画配信サイトやSNS等でのWEB広告を展開している。

 若年層獲得に向けては、甘酒が苦手な人・好きな人それぞれを対象にしたプレゼントキャンペーンをXで実施し、話題化を図った。「甘酒が好きな人を対象とするポストは1万以上のリポストがあり、若年層を中心に認知を獲得できた」との手応えを得る。

 12月から1月にかけては「昨年以上、今年9月以上の熱量で再びマーケティング活動に注力していく」との考えを明らかにする。

 年末年始の目玉施策の一つが、おみくじ仕立てで景品が当たるキャンペーン。甘酒には、神社などで配られる縁起物のイメージがあることから企画された。

 「景品にもこだわり、森永製菓の創業者・森永太一郎の出身が伊万里であることにちなんで伊万里焼のマグカップをご用意した。需要期をより盛り上げていく」と意欲を示す。

 キャンペーン以外に、WEB広告や雑誌広告など多方面でのコミュニケーションも検討している。

関連記事

インタビュー特集

Mizkan フルーティス刷新(後編) 「新・果実体験」を提供 リフレッシュしたい時に

Mizkan(以下ミツカン)は今春、食酢飲料「フルーティス」ブランドをリニューアルした。家庭用では業務用で人気の「シャインマスカット」「あまおう」「白桃」を、家庭用・業務用の双方で「ざくろ」を新発売した。

Mizkanフルーティス刷新(前編) 果実のおいしさが主役の新製法 マーケティング本部 田中菜々美氏に聞く

Mizkan(以下ミツカン)は今春、食酢飲料「フルーティス」ブランドをリニューアルした。

学生が育てるアーモンドの木 明日の社会へ価値循環 デルタインターナショナル×キャンポスブラザーズ

アーモンドの世界的産地である米カリフォルニア州でも、トップクラスの供給量を誇るキャンポスブラザーズ社。日本の販売総代理店を務めるデルタインターナショナルでは、学生の手でアーモンドの木を育てて商品化することを目指す玉川大学の...

原点は休憩中に見上げたキウイ 全国で食材発掘、生産者と企業つなぐ サッポロビールの地域創生事業

 明治9年(1876年)、北海道で新たな産業を興すべく設立された「開拓使麦酒醸造所」をルーツとするサッポロビール。創業150周年を迎える今も、その“開拓”の精神は息づく。ビール会社としての枠にとらわれない発想力を武器に、事業領域拡張の最前線で奮闘する人物に迫った。一次産業を担う各地の生産者と企業のバイヤーをつなぎ、農林水産物の需要創出をサポートするサッポロビールの地域創生事業。その原点は、外食企業のコンサルティングを手がける部署で九州の拠点に配属されていた、一人の担当者のひらめきだった。

カキ養殖の展望を聞く〈前編〉 “殻付き”市場拡大 環境変化と効率化に対応 シーパジャパン・吉本剛宏社長

瀬戸内海で養殖カキが甚大な被害を受け、生鮮市場だけでなく加工メーカーや流通にも影響が及んでいる。こうした中、従来の養殖方法とは異なるシングルシード養殖法が注目されている。