菱食(現・三菱食品)の社長・会長を務めた廣田正・元特別顧問のお別れの会が11月10日、パレスホテル東京で行われた。メーカーや小売業のトップをはじめ多くの業界関係者やOBが献花し、故人を偲んだ。
廣田氏は1955年に北洋商会に入社、87年に菱食の副社長、89年に社長に就任。95年には食品卸では初となる東証二部への株式上場(97年に東証一部)を実現するなど、卸売業の産業化と地位向上に尽力した。
会場では廣田氏の学生時代や家族との写真、北洋商会や菱食での足跡をパネルで紹介。廣田氏が退任時に寄せたメッセージには、卸売業の産業化を志して半世紀以上にわたり懸命に働いてきた道のりを振り返り、次世代に向けて「業界の最先端を歩み、若い力で新菱食を作り上げて欲しい」との願いが記されていた。
「消費と生産を結ぶ価値ある懸け橋」を使命とし、環境変化を的確に読み、時代が求める価値を提供していく姿勢は今日においても色褪せることなく、卸売業の普遍的な道標として受け継がれている。


