精糖メーカーの塩水港精糖とフジ日本は10月29日、「アライアンス契約」を締結した。製造・購買・ロジスティックス・研究開発・商品開発の広範囲にわたり、シナジー追求を目指す。
塩水港精糖とフジ日本はこれまでも、共同生産工場・太平洋製糖(神奈川県横浜市)を通じ砂糖生産の効率化、事業基盤の強化を図ってきたが、今後は機能性食品(バイオ)分野でのアライアンスを強化する。
塩水港精糖は30年を超えるベストセラー「オリゴのおかげ」などリテール商品が強い。一方、フジ日本は「イヌリン」など機能性食品分野のBtoB、海外展開を強みとしており、今後両社で新素材開発や商品の共同開発を推進する考えだ。
精糖分野では、共同生産工場を通じ引き続き効率化・品質向上を図る。購買・ロジスティクスの面では、共同購買や共同配送などを進め更なるコスト削減を目指す。
国内砂糖事業は、人口減少や低甘味・低カロリー志向を背景に依然として厳しい状況が続いている。精糖業界は工場の統廃合や業界再編を通じて砂糖事業の基盤強化・効率化を図ってきた。
直近では和田製糖が工場を閉鎖し、DM三井製糖に砂糖生産を委託。また、ウェルネオシュガーは東洋精糖を完全子会社化、来年10月には合併を予定するなど大手主導による再編が着々と進められている。
今回のアライアンスの背景について両社は「未来に向けて新たな取り組みを進めていくべきと考えている。長い歴史の中で培われた両社の特色、強みを活かし、シナジーを最大限に生み出すべく、今後両社間でプロジェクトチームを組成し、具体的な取り組みを進める」としている。



 
                                    