イオン「まいばすけっと」 来期の高速出店に準備整う 店舗運営はマニュアル化

イオンは、業績好調な都市型の小型スーパー「まいばすけっと」の出店を加速する。来期以降は年間200店舗以上を出店する計画だが、吉田昭夫社長は「(コンビニと違って)すべて直営店のためビジネスをコントロールしやすいことが強み。新店で課題となるオペレーションの品質は大部分でマニュアル化が進んでおり、教育センターも設置した。来期から高速出店できる体制が整ってきた」などと語った。

■首都圏のニーズに合致

「まいばすけっと」は8月末時点で首都圏に1262店舗を展開。上期(3~8月)の既存店売上は6・5%増と高い伸びを示した。生活圏の近くに立地する利便性に加え、コンビニに対する価格優位性が支持されている。同期間の営業利益は前期比9億円増と安定して稼げる業態に育ってきた。30年までに約2倍の2500店舗、最終的に首都圏で5000店舗体制の構築を視野に入れる。

吉田社長は「日本は少子高齢化と人口減少の最中にあるが、首都圏だけは人口が増えている。その中でわれわれが事業の拡大を考えた時、『まいばすけっと』は今のお客様のニーズに非常にフィットしている。これから先もまだまだ伸ばせる」と期待感を示した。

業態の特徴は「コンビニよりもスーパーに近い品揃えで、いわゆるワンストップショッピングの機能が高い」とした上で、「プライベートブランド(PB)『トップバリュ』が非常によく売れており、グループの中でも売上構成比はトップクラス」であることを紹介。

「例えばカップ麺の定番商品はコンビニでナショナルブランド(NB)なら250円程度と認識しているが、『トップバリュベストプライス』なら120円程度だ。一定の品質を保った製品で価格差を実現しており、今までになかった機会を首都圏の生活者に提供できている」との手応えも語った。

今後に向けては「当社グループのシナジーを生かしたデリカ商材を『まいばすけっと』にも供給できれば一段とお客様のニーズに応えられる。『トップバリュ』の構成比を上げて営業利益率の高い業態を追求することも重要。出店時の家賃対応力を高めたい」とした。