片岡物産のココアブランド「バンホーテン」が今年3月1日に実施した価格改定後も販売数量・販売金額ともに伸び続けている。
インテージSRI+ココア1-7月推計販売規模(金額)によると、前年同期比24.8%増を記録した。
SNSでココアの健康価値が浸透し、「ピュアココア」と機能性表示食品「バンホーテンの腸活ココア」がその受け皿となり成長を牽引したことが大幅増の要因とみられる。
この中で「バンホーテンの腸活ココア」は、“イヌリンが腸内フローラを改善しお腹の調子を整える”をヘルスクレームにした機能性表示食品でありながら、原材料がココアパウダー・砂糖・食物繊維(イヌリン)とシンプルである点が支持を集めている。
価格改定による離反も回避。
同社は3月1日、「バンホーテン」全体で希望小売価格を約10~50%の上昇幅で価格改定を実施した。
これにより「ピュアココア」の本体価格は500円から710円に、「バンホーテンの快眠ココア」は500円から560円のそれぞれ引き上げられた。
また、「ミルクココア」は220gから200gに減量し435円から550円に、「ハイカカオ72%」は190gから165gに減量し、500円から635円に改定した。
一方、「バンホーテンの腸活ココア」は価格を据え置かれた。
価格改定を実施した中でも、1-7月は「ピュアココア」と「ハイカカオ72%」の需要が堅調だったことに加えて、2024年に前年比1.7倍となった「バンホーテンの腸活ココア」が好調を維持した。
インテージSRI+ココア1-7月推計販売規模(金額)によると「ピュアココア」は50.7%増、「ハイカカオ72%」が3.2%増、「バンホーテンの腸活ココア」が32.2%増となった。
「値上げ分以上の販売金額を確保でき、ココアの市況は非常に良い。市況は昨年も良く、価格改定後も落ちずに勢いづいているように感じる」(片岡物産)と振り返る。
一方、主原料のカカオ豆は依然として高騰し続け収益環境は悪化している。
高まるコストを吸収すべく、9月1日の出荷分から「バンホーテン」全体で約7~39%の上昇幅で今年2回目の価格改定を実施した。
これにより本体価格は「ミルクココア」が515円から570円に、「ハイカカオ72%」が635円から790円、「バンホーテンの快眠ココア」は560円から600円、「ピュアココア」は710円から985円にそれぞれ引き上げた。
3月に価格改定を実施しなかった「バンホーテンの腸活ココア」は200gから160gに減量した上で本体価格を500円から630円に改定した。