自給率向上と輸出促進で強い日本を

高市早苗氏が自民党新総裁に就任。わが国で初の女性首相が誕生する。物価高対策、ガソリン・軽油の減税などとともに高市総裁の公約に盛り込まれているのが、食料安全保障の確保だ。

▼近年、世界規模で食料争奪戦が繰り広げられている。食料需要が拡大する中、調達面では日本の買い負けが目立つ。気候変動は深刻さを増し、地政学リスクへの対応も求められるようになった。

▼日本の食料自給率はG7加盟国中、最下位の38%。食料の国産化強化が急務となる。新たな食料・農業・農村基本計画では「食料自給力の確保」「輸出拡大」「国民一人ひとりの食料安全保障の確保」などが柱。政府は5年後にコメ輸出を8倍に、小麦生産量を約3割、大豆を約5割増やす目標を掲げた。これらの施策により食料自給率を45%まで引き上げる考えだ。

▼高市総裁は「農林水産業と食品産業は必ず成長産業になる」と訴え、農林水産業の基盤強化と人材強化を考えるうえで輸出促進の重要性を指摘した。新首相の手腕に注目が集まる。「強い日本を再び」という期待に応えられるか。