みちのくコカ・コーラボトリングは、CO2排出量が実質ゼロのコカ・コーラ自販機「カーボンオフセット自動販売機」をキオクシア岩手(岩手県北上市)に設置し、環境負荷低減やカーボンニュートラルの取り組みを推進していく。
岩手県内企業として初めてキオクシア岩手内に9台設置された。
9月17日、キオクシア岩手で開催された設置披露会でキオクシア岩手の柴山耕一郎社長は「半導体製造は一般的に多くのエネルギーを使用し我々も例外ではない。製造工程の省エネなどに日々取り組んでいるが、従業員一人一人が自分事として考えるには少し距離があり、その解決策として、『カーボンオフセット自動販売機』の設置は非常に大きな一歩」と語る。

自販機が持ち合わせる“身近さ”に期待を寄せる。
「自販機は日々、従業員に使われる。そのたびに従業員が環境を意識するというのは非常に素晴らしいこと。従業員一人一人の環境意識が徐々に上がり、さらに地域の皆様にも伝わっていけるよう、地域貢献と環境経営に取り組んでいきたい」と力を込める。
一方、みちのくコカ・コーラボトリングにとって、今回の設置は、北日本造船(青森県八戸市)に次ぐ2例目となる。
みちのくコカ・コーラボトリングの谷村広和社長は「岩手県内の企業として初めて設置していただいた。このことは大変意義深く、我々にとっても大きな励みになっている。今後も地域の皆様とともに環境負荷の低減やカーボンニュートラルの実現に向けて着実に歩みを進めていきたい」と意欲を示す。

一般的に、自販機からCO2が排出されることはなく、自販機の稼働に使用する電力が火力発電由来などになると間接的にCO2を排出していることになる。
カーボンオフセットとは、このように自助努力では削減しきれないCO2排出を、別の場所での排出削減や森林保全活動などで吸収に貢献することで相殺する取り組みとなる。
その一手法が日本卸電力取引所(JEPX)発行の非化石証書をReivalue(リアイバリュー)社から購入するやり方となる。
非化石証書は、固定価格買取制度(FIT)に基づくバイオマスなど再生可能エネルギー発電所由来の電気の価値(環境価値)となる。
「カーボンオフセット自動販売機」は、みちのくコカ・コーラボトリングが自販機稼働時の年間消費電力量に相当するFIT非化石証書の取得を支援することで、設置先が“再生可能エネルギー由来の電力を使用した”とみなされる仕組みとなる。