菓子専業卸・関口は今期(3月期)、2027年度を最終年度とする新・中期経営計画(第2期中期経営計画)を始動した。新・中計最終年度の売上高は345億円を計画。前期売上高は前々期比7.5%増の265億円。そこから80億円を積み増す計画達成への土台づくりとして、営業を増員するなどしてメーカー・小売業・消費者をつなぐ菓子のハブ機能を強化する。
8月21日、関東エリア秋季大見本市商談会であいさつした関口快太郎社長は「“STRONG UNITED COMPANY2027”をスローガンに掲げ、社員の結束、お得意先さま(流通)と関口、メーカーさまと関口、お得意先さまとメーカーさまをしっかり結んでいく3年間にしたい」と意欲をのぞかせる。
営業人員は今期に入り4人増員し8月現在で計47人。年内に計50人体制を構築する。
今後、勉強会の再開を予定。メーカーの開発・マーケティング担当らを講師役に招き、人材育成やスキルアップの向上を図る。
「勉強会は盛岡支店が始めたのを皮切りに30回以上実施し、しばらくお休みしていたが、若手の社員も増えてきたことから、お菓子の情報や知識をしっかり身に付けてお得先さまに魅力ある提案ができるように再開する」と語る。
勉強会では、カテゴリ動向を学び、メーカーの商品やブランドに寄せる想いを汲み取る。
「実際にお話をうかがうと商品やブランドのストーリーやメーカーさまの思いを肌身で感じられ、お得意先さまへの提案にも熱が入る」とみている。
提案にあたってはAIやDXといった新手法も取り入れる。
人材育成にあたっては、訪問活動に重きを置く“関口イズム”の浸透を図る。
「社是である“限りなき前進”と“日々感謝の心”に則り、お客様のニーズをしっかりつかむために、訪問活動を真面目に行い、メーカーさまからお預かりした商品を大切に提案していくことを呼びかける。情報交換を密にしつつ、メーカーさまの営業代行のつもりで商品紹介や提案を行えるようにする。“関口はちゃんと回ってくれるから”と信頼を寄せてくださるお取引先さまがおり、そのようなお取引先さまを増やしていきたい」と力を込める。
物流改善については、ドライバー不足を起因とするメーカーからのリードタイムの要請には卸の立場も主張しながら対応していく。
「リードタイムは、在庫を余計に抱えなくてはならないような変更だと、当社だけではなく他の問屋さんにとってもものすごく負担になる。個社の問題ではないため、組合を通じてメーカーさまとの情報交換会の中で言いたいことを言うようにしている」と述べる。
ドライバー不足への対応としてバラ積みからパレット積みへの移行の動きが見られる中、今後はメーカー間での商品サイズや荷姿の統一化や共配の機運の高まりに期待を寄せる。
「メーカー1社につきトラック1台が手配できるケースは問題ないが、地方の支店など大きな物流センターではないところでは、1社だけではトラック1台分のロットに満たないことが多い」と訴える。
今期出足の4―6月の全社売上高は7.58%増。エリア部・支店別では、関信越が6.74%増、東北が8.26%、千葉支店が39.18%増、松本支店が5.94%増、前橋支店が7.79%増、秋田支店が13.62%増、本社が3.6%増となった。
増収要因について「メーカーさまの価格改定効果に加えて、全般的にシェアを拡大できたことが挙げられる。支店別では千葉支店と秋田支店は広い敷地への引越し効果も増収に貢献した」と説明する。
新・中計初年度となる今期売上高は7.55%増の285億円を掲げる。
なお、関東エリア秋季大見本市商談会はホテル東日本宇都宮(栃木県宇都宮市)で開催され、メーカー110社が参加した。来場した流通関係者は245社500人に上った模様。