サントリー食品インターナショナルは2019年11月に「C.C.レモン」ブランドで「C.C.」の文字を消したデザインラベルを数量限定発売。以降、22年、24年、今年1月にも数量限定発売した。
同デザインラベルを展開している理由は、“みんなの力で、がんを治せる病気にする”プロジェクト「deleteC」に2019年以降、毎年参画しているため。
Cancer(がん)の頭文字「C」の文字のdelete(消すこと)に賛同して「C.C.レモン」の「C.C.」を消したデザインラベルを「deleteCラベル」と銘打って展開している。
同プロジェクトの仕組みは、企業・団体が、自身のブランドロゴや商品、サービスから「C」の文字を消して、オリジナル商品やサービスを開発・販売・提供し、その売上の一部をがんの治療研究に寄付する仕組みとなっている。

2020年からは「C.C.レモン」に加えて「デカビタC」ブランドもSNS投稿企画に参画。今年は9月1日からの「deleteC大作戦」に参画する。
両ブランドの商品の「C」の文字を消した画像に「#deleteC大作戦」と「#サントリー」のハッシュタグを付けてSNS上に投稿などすると、1投稿当たり100円、1リアクション当たり10円が、がん治療研究への寄付につながる。
8月31日、都内で開催された「deleteC大作戦 2025キックオフイベント」に出席した沖中直人専務執行役員はdeleteC参画の理由について「サントリーの企業理念に利益三分主義という考え方があり、創業者・鳥井信治郎の時代から赤玉ポートワインというヒット商品ができた後に、大阪・西成のほうで無料の診療院をつくっている。やはり社会のためなることというのが企業の存在・目的であるという文脈で考えると(deleteCは)発想が素晴らしくて、ユニークで直感的にこれは参加しやすいと思った」と語る。

deleteC大作戦は、“がん征圧月間”に定める毎年9月に行われ、投稿や買い物などのカジュアルソーシャルアクション(CSA)を通じて、がん治療研究を寄付と啓発で後押しする。
昨年は、投稿・買い物・歩く・学びの4つのCSAが対象。
6回目となる今年は、昨年の4つに食べる・入る・タップ・伝える・〇〇の秋の5つのCSAを加えて過去最大規模で実施する。
認定NPO法人deleteCの小国士朗代表理事は「1億人がCSAできる。そんな1か月にしたい」と意欲をのぞかせる。
2022年、小国代表理事の講演に感銘を受けたサミットの服部哲也社長は、翌年実施したサミットストア122店での「deleteC大作戦」特設コーナーの展開に道筋をつける。
特設コーナーの参画企業は今年、23年の6社から34社に拡大。9月の期間中、「deleteC大作戦」のPOPが付いた対象商品を購入すると、商品1つにつき1円がdeleteCを通じてがん治療研究に寄付される。
今年は、ヨークベニマル、カスミ、しずてつストア、平和堂、イズミも加わり約31都道府県・1024店舗で「deleteC大作戦」特設コーナーが実施される。
なお、「deleteC大作戦 2025キックオフイベント」のキックオフセッションの参加者は以下の通り。
▽服部哲也氏(サミット社長)▽ 沖中直人氏(サントリー食品インターナショナル専務執行役員)▽佐藤玲奈氏(クラーク記念国際高等学校東京キャンパス長)▽吉野孝之氏(一般社団法人癌治療学会理事長)▽ 川上尚人氏(2021年度受賞者・東北大学大学院医学系研究科臨床腫瘍学分野教授)▽小国士朗氏(deleteC代表理事)▽藤吉雅春氏(Forbes JAPAN編集長)