〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編② Sofrimar つぶ貝の最大サプライヤー

寿司店から支持絶大

アイルランド南東部の漁村、キルモア・キーに位置する水産加工会社Sofrimar社。販売のほぼすべてが海外への輸出という同社では、契約する約200人の漁業者から買い受けた地元産の高級魚介類を世界中の市場に提供している。

貝類や白身魚を活魚やチルド、調理品など様々な形態で提供。ホタテ貝の加工で国内シェア95%を占めるほか、カニやロブスターなども強み。

さらに国内最大のつぶ貝加工業者として知られ、寿司ネタとして日本向けに冷凍つぶ貝を供給するサプライヤーでもある。30年以上の取引がある日本では、高品質な食材を求める寿司店からの支持が高い。

つぶ貝の殻を手作業で剥く。にぎり寿司に映える大きなサイズを選別して日本に出荷
つぶ貝の殻を手作業で剥く。にぎり寿司に映える大きなサイズを選別して日本に出荷

「当社ではすべての輸出製品で完全なトレーサビリティを確保している」。ローカン・バーデン取締役が強調する。

「14年にBRPというソフトウェアを導入。漁獲した漁業者の船からお客様に届くまでの情報を確認できるようになった。逆に、船からどこのお客様に出荷するかも記録している」。

オリジングリーンが定める基準に沿って、原料調達の持続可能性向上や廃棄物の削減を推進。水の使用量は12年比で20%の削減を実現した。地元イベントへの協賛や従業員への福利充実など、企業としての社会的責任を果たすべく取り組む。

(つづく)