トライアルホールディングスは8月13日、都内で開催したメディア懇談会で西友買収後の戦略を示した。同社は7月1日付けで西友の全株式を取得し完全子会社化を完了。今後、西友店舗の運営立て直しのほか、店舗出店の拡充やPBなど商品開発戦略、ITデータの活用などでグループシナジーを追求する。両社間で具体策の協議を本格化させ、2026年2月にもグループ中期経営計画としてまとめる。
西友買収後、初めて開催されたメディア懇談会には桐島一寿上席執行役員グループ経営財務部長、野田大輔執行役員広報部長が出席した。
今期(2026年6月期)の業績予想は、売上高は西友子会社化により1兆3225億円と小売業界6位に浮上。西友統合メリットに加え、トライアルにおける粗利向上戦略の成果により、売上総利益は3220億円、粗利率24.3%を見込む。営業利益はのれん償却など西友の統合費用が重く、前年比1.9%増の254億円とした。
新規出店は25店舗プラスα(メガセンター:1、スーパーセンター:22、smart:2、小型店:プラスα)を計画。「首都圏の強化を図り、今秋にも都内で『TRIAL GO』の出店を準備している。西友の大型店周辺にサテライト出店する方針」(桐島上席執行役員)。現在、福岡市内で展開する「TRIAL GO」と同様、24時間営業でセルフ決済を導入する考えだ。
今期の既存店売上高前年比は100.6%を前提に置いた。「食」の強化と店舗改装の継続により既存店を強化する方針。「西友の既存店売上がダウントレンドにある。改装・広告宣伝を強化し、お客さまの支持向上を図る。両社のPB、惣菜を相互に活用し、グループ全体で店舗の魅力を向上させる」(野田執行役員)。
定量的な統合シナジーは今後詰める。商品仕入れにおける帳合統合で取引条件(粗利率)の改善が見込めるほか、両社のプロセスセンター(10施設)、セントラルキッチン(11施設)、物流センター(50施設)全体で、製造商品、稼働率、供給先店舗を最適化することにより収益性の向上を図る。
加えて、新フォーマットの共同開発、決済・会員施策の連携、顧客情報の共有と相互活用など今後期待されるシナジーについて両社間で具体策を協議し、2026年2月中旬開催予定の第2四半期決算発表で明らかにする。
