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加工食品製粉重点分野へアグレッシブに投資 2030目標達成にも手応え ニップン

重点分野へアグレッシブに投資 2030目標達成にも手応え ニップン

ニップンは8月1日、都内で業界専門紙懇談会を開催した。

前鶴俊哉社長が前期決算概況と今期業績予想、長期ビジョン2030および中期目標達成のための戦略、サステナビリティの取り組みについて説明した。

前鶴氏は「製粉事業は麦価改定で売上が若干減少しているが、食品事業で利益率を高めていきたい。楽な商環境ではないが、社員の頑張りに感謝している」と総括。「長期ビジョン2030」については、経済的価値(売上高5000億円、営業利益250億円)とともに、社会的価値として従業員・社会・生活者のウェルビーイングを同時実現するように進めていることを語った。

人材ビジョンについて具体的に定義。「広い視野を持ち、価値提供に向けて持続的な成長を志向し、プロフェッショナルとして、人々のくらしを支え豊かな食の未来を創り、“自分ゴト”として捉え、新しい課題を発見し、時代を切り拓く人財を育てていく」と述べた。

最終段階に入った刀社との取り組み成果、R&Dセンターの進捗、畑中食品への投資について言及したほか、長期ビジョンで数値目標を提示した事業については「責任をもって取り組んでいく」と力強く抱負を述べた。

続いて各事業概況を佐藤高宏・上席執行役員製粉事業本部長、川崎裕章常務が製粉事業、食品事業の概況を説明。重点取組事業に掲げる冷凍食品事業は篠山康司・執行役員家庭用食品事業本部副本部長、海外事業について飛鷹裕之・上席執行役員海外事業本部長が説明した。

製粉事業(佐藤本部長)は、新工場の償却も見込まれるなか、生産効率向上と生産強化を推進する。付加価値銘柄である全粒粉、国産小麦など訴求力と機能性の高い小麦粉の開発と拡大に注力し、販売数量と利益を確保する。

食品事業は〈業務用〉外食事業・外食産業での人手不足。調理作業の簡便性、在庫管理の加速化などを追求し、失敗しないオペレーションで食品ロス削減が業界課題の一方で、プレミアム製品にも注目が集まっている。コア事業の一つなので確実に進捗させる。

〈家庭用〉はマスターブランド戦略展開で着実に市場での認知が向上した。さらに磨きをかけたブランド戦略を展開し、業務用顧客にも領域を拡大していく方針。「商品とサービスの価値で、より消費者に選んでいただける企業になる」。

成長領域の一つである冷凍食品事業(篠山副本部長)は、畑中食品新工場(2026年度末稼働予定)への投資による生産能力の強化、商品開発では家庭用の柱であるナンバーワンブランドの個食パスタ、ワンプレート商品の配荷と認知拡大に向けたメニュー充実とブランド再構築を発表。

海外事業(飛鷹本部長)は、Utah Flour Milling.LLCについて、現地取り組み企業から評価を得ており、品質、コストに加え温室効果ガス削減など環境保全でも効果を出していると紹介。2027年新工場の稼働開始を予定する「NIPPN Vietnam Company Limited」の進捗について説明。

飛鷹本部長は「中計で海外売上構成比を8.9%に、長期ビジョン2030では12%を目指す。簡単な数字ではないが達成し、海外事業を基盤事業にしていきたい」と述べ、既存進出国での事業拡大、クロスボーダーM&Aを含めた積極投資、新規需要地域への販売拡大などの具体例を説明した。

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